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旧天竜林高事件の元市長弁護人 アリバイ巡る新証拠提出 東京高裁へ

 浜松市天竜区の旧天竜林高を舞台にした調査書改ざん・贈収賄事件で、贈賄罪で罰金刑が確定し、再審請求中の元天竜市長(91)の代理人弁護士は25日、元市長のアリバイを巡る新証拠を盛り込んだ補充意見書を東京高裁に提出した。関係者への取材で分かった。
 新証拠は、元市長が元校長(75)=加重収賄罪などで有罪確定、再審請求中=に2回目の現金を渡したとされる日に訪れた銀行の伝票。保険契約金の振込が完了したとみられる「12・26(午後0時26分)」の時刻が印字されている。確定判決などでは元市長は同日、銀行を退店後、午前11時ごろに同校を訪れて現金を渡したとされ、弁護側は「アリバイ成立の公算が高まった」と注目している。
 元市長は2020年に浜松簡裁に再審請求を申し立てたが、23年5月に棄却。東京高裁に即時抗告した。代理人の杉尾健太郎弁護士は「再審開始の決め手になり得る重大な新証拠」と強調した上で、「高齢になった元市長の汚名をすすぐためにも、裁判所には積極的な姿勢で証拠を精査し、速やかな審理を求めたい」と語った。
 元校長の弁護団も今月6日、銀行の伝票を新証拠の柱に据えた第2次再審請求を静岡地裁浜松支部に申し立てている。

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