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柿沢被告 買収経緯 現金の趣旨 語らず 「回答差し控え」 50回超 東京地裁公判

 東京都江東区長選を巡り区議ら10人に計約280万円の供与や申し込みをしたとして、公選法違反(買収など)の罪に問われた前法務副大臣の元衆院議員柿沢未途被告(53)の公判が20日、東京地裁で開かれ、被告人質問があった。柿沢被告は実質的に黙秘権を行使。検察側の質問に対し「お答えを差し控えます」との発言を50回以上繰り返し、買収の経緯や現金の趣旨を語らなかった。
 弁護側は心境のみを尋ね、柿沢被告は14日の初公判と同様「私の行動、言動に端を発し、多くの方に多大な苦しみをもたらした。私の責任は重い。公訴事実は一切争わない」と述べた。
 検察側の「取り調べ段階で暴力や取引はなかったか」といった一部の質問には「なかった」などと応じたが、事件に関する説明は拒んだ。検察側に理由を問われると、公訴事実は争わないと改めて述べ、それ以上の発言はしなかった。
 区議らへの現金は「区議選の陣中見舞い」だとして買収の意図を否定していたのに逮捕後に認めに転じた理由、今後の立候補の意思、有権者らへの思いを問われても答えず、公判は約40分で終わった。
 柿沢被告は、保守分裂となった昨年4月の区長選で、前区長木村弥生被告(58)=同法違反罪で在宅起訴=を支援した。検察側は冒頭陳述で、柿沢被告が選挙運動の計画立案などをしており、連座制が適用される「組織的選挙運動管理者」に当たると指摘。迅速に進める「百日裁判」で審理され、3月14日に判決が言い渡される。

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