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3者協議、4月10日に 袴田さん再審公判へ初 静岡地裁

 現在の静岡市清水区で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして死刑が確定し、裁判のやり直し(再審)が認められた袴田巌さん(87)の弁護団は29日、再審公判に向けた静岡地裁、静岡地検との3者協議が4月10日午後に地裁で開かれることが決まったと明らかにした。
 検察側は協議の中で、再審公判で有罪立証するかどうかの方針を示すとみられる。弁護団は早期の無罪判決を求めていく。笹森学弁護士は、再審開始の確定から3週間で初回の協議が開かれることについて、自身も関わり再審無罪となった「足利事件」と比較しながら「相当早い」と述べた。
 事件では、発生から1年2カ月後に現場近くのみそタンクで血痕の赤みが見て取れるシャツなど「5点の衣類」が見つかった。袴田さんの第2次再審請求を巡り、東京高裁は今月13日の決定で、みそ漬け血痕の赤みが失われるメカニズムを化学的に明かした弁護団側鑑定書の信用性を認めた。
 その上で、新旧の証拠を総合評価し、袴田さんを犯人とした確定判決の認定に「合理的な疑いが生じることは明らか」と指摘。みそ漬け血痕が短期間で黒色化することを示した実験報告書などの新証拠を「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に該当する」として再審開始を認めた2014年の静岡地裁決定を支持し、検察の即時抗告を棄却した。5点の衣類については、事実上捜査機関が捏造(ねつぞう)した可能性が「極めて高い」と言及している。
 検察が期限の20日までに特別抗告しなかったため、再審開始が確定した。

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