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旧天竜林業高事件 検察が証拠開示拒否 行動記録巡り「必要がない」 元市長再審請求

 旧天竜林業高(浜松市天竜区)で起きた調査書改ざん・贈収賄事件で、贈賄罪で罰金70万円の略式命令を受けた元天竜市長(90)による再審請求の非公開の三者協議が17日、浜松簡裁で開かれた。校長に校内で現金を渡したとされる日の元市長の行動記録の証拠開示を弁護側が求めていたのに対し、検察側は「必要がない」と拒否した。
 元市長の代理人の杉尾健太郎弁護士が協議後、記者会見で説明した。この日の協議までに検察側は意見書面を提出した。検察側は、略式命令が2008年に確定している点などを踏まえ、証拠開示請求を「著しく時期に遅れた証拠漁りに過ぎない」と退けた。行動記録の証拠の有無には言及していないという。
 弁護側は取り調べメモの分析から、元市長が現金を渡すために来校したとされる時間帯に銀行の支店にいた可能性を指摘し、「校内で(元市長と)会った」との学校関係者の証言の信用性を疑問視している。検察側は書面で、弁護側の指摘を踏まえても「2人が会うことは可能だった」と主張したという。
 杉尾弁護士はこのほか、元市長の来店記録の提供を依頼していた銀行から「保存期間が経過しているため提出できない」と回答があったことを明らかにした。

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