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二転三転、被災者困惑 熱海土石流被災地 宅地復旧工事費90%補助 市、補正予算案から削除

 熱海市は23日夜、同市伊豆山の復旧復興事業に関する住民説明会を市役所で開いた。被災者自身が行う宅地復旧を巡り、方針が二転三転し、説明も不十分なまま事業を進めようとした市の姿勢に、被災者からは怒りや困惑の声が相次いだ。

伊豆山の復旧復興事業に関する住民説明会で被災者の質問に答える斉藤栄市長=23日午後、熱海市役所
伊豆山の復旧復興事業に関する住民説明会で被災者の質問に答える斉藤栄市長=23日午後、熱海市役所

 宅地復旧に対する補助金制度について、斉藤栄市長は同日の市議会で補正予算案の補助金に関する部分をいったん取り下げたことを報告し「しっかりとした過程を踏まず、説明の順番が前後してしまった。申し訳なかった」と謝罪した。
 市によると、当初の買収・分譲方式は現地で住宅を建て直すことを希望する10世帯が対象だった。市は124の被災世帯への個別面談後に、その10世帯に方式の見直しについて意見を聴いたと説明した。
 これに対し、被災者からは「他の人に意見を聴いていないのは問題だ」「予算案を取り下げたことで余計時間がかかるのではないか」と不満が噴出した。被災者とこまめに対話してこなかった斉藤市長を批判し、「そもそも市との信頼関係が成り立っていない」と訴える被災者もいた。
 説明会では、逢初(あいぞめ)川の拡幅計画や市道整備、警戒区域が解除される予定の9月1日時点で電気、上下水道、ガスといったライフラインの復旧が見込まれる場所も示した。市は24日にも説明会を開く。

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