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第14回地域再生大賞、テンカラセン(熱海市)が優秀賞 伊豆山復興へカフェなど運営

 地方新聞47紙とNHK、共同通信が地域活性化の取り組みを応援する「第14回地域再生大賞~つながる、多様性が拓(ひら)く」の各賞51団体が27日、決まった。大賞(副賞100万円)には「貴志川線の未来を“つくる”会」(和歌山市)が輝いた。廃線の危機にあった地方鉄道の永続に向け住民主導で利用を呼びかけ、事業者や行政と連携して沿線の魅力アップを図っている。

住民と交流する高橋一美代表(手前右)=2022年4月、熱海市伊豆山
住民と交流する高橋一美代表(手前右)=2022年4月、熱海市伊豆山

 準大賞(20万円)はアイドル活動で地元を盛り上げる「リンゴミュージック」(青森県弘前市)、選考委員長賞(20万円)は地域と連携し起業家を育てる「神山まるごと高等専門学校」(徳島県神山町)。
 副題に掲げる、つながりや多様性の観点から次の通り特別賞(各10万円)を選んだ。
 大阪障害者雇用支援ネットワーク(大阪市)=インクルーシブ・パートナーシップ賞▽ここいろhiroshima(広島市)=ダイバーシティー賞▽おかげ祭り振興会(宮崎県都城市)=地域にぎわい創出賞
 熱海市のNPO法人「テンカラセン」は優秀賞に決まった。
 ブロック賞(各10万円)は次の団体。
 北海道・東北 遠野山・里・暮らしネットワーク(岩手県遠野市)▽関東・甲信越 Mt.(マウント)ファームわかとち(新潟県小千谷市)▽東海・北陸 園むすびプロジェクト(富山県舟橋村、団体所在地は富山市)▽近畿 上宮津地域会議(京都府宮津市)▽中国・四国 美甘(みかも)地域の空き家再生と移住者、高齢者支援プロジェクト(岡山県真庭市)▽九州・沖縄 やどかりサポート鹿児島(鹿児島市)
 このほか各地の39団体が優秀賞に決まった。
 表彰式は大賞や準大賞、選考委員長賞、特別賞の6団体を招き、2月15日に東京の共同通信本社で開く。

 人とのつながり 〝点から線に〟
 27日に発表された第14回地域再生大賞で優秀賞を受賞した熱海市伊豆山のNPO法人「テンカラセン」。2021年7月の大規模土石流で分断された地域の再生を目指し、人と人のつながりを紡ぐ活動を続けている。
 発災当初から高齢者宅に支援物資を届けたり、困りごとを聞いて回ったりと奔走してきた高橋一美代表(47)ら地元有志が同年10月に結成。被災者、住民、伊豆山を応援する人などが“つながり”を実感できるカフェを運営するほか、復旧復興に尽力する人や団体を紹介する新聞の発行、高齢者の買い物支援などを通じて、世代や地域を越え交流の輪を広げている。
 全国から伊豆山に寄せられた支援の恩を「次の被災地に送る」活動も続ける。今月も能登半島地震の復旧復興支援の募金活動を行った。高橋代表は「被災地同士のつながりで学ぶこともある。今後も伊豆山の住民はもちろん、被災者の思いを胸に、できる限りのことをやっていきたい」と語った。
 (政治部・豊竹喬)

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