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熱海土石流「自宅解体、決められない」 悩み尽きない被災者 発生から1年7カ月

 災害関連死を含め27人が死亡し、1人が行方不明になっている熱海市伊豆山の大規模土石流は3日、発生から1年7カ月が経過した。現場付近で犠牲者に黙とうをささげた被災者は、被害を受けた自宅の公費解体や市の生活再建支援の在り方に複雑な思いを口にした。

犠牲者に黙とうをささげる被災者ら=3日午前、熱海市伊豆山
犠牲者に黙とうをささげる被災者ら=3日午前、熱海市伊豆山

 土石流の発生時刻とされる午前10時半ごろ、被災者や住民、近くの福祉施設の利用者らが現場に向かって黙とうした。行方不明になっている太田和子さんの自宅跡周辺では、熱海署員が太田さんの手掛かりを求めて捜索活動を行った。
 市は2023年度当初予算案に、これまで公費解体の対象外になっていた半壊未満の家屋の解体費用を半額補助するほか、被災地で生活再建する人のリフォーム費用を補助する予算を盛り込む方針。
 被災者の太田かおりさん(57)は「自然災害ではなく人災なのに、自宅の解体費用の半分を自己負担することにどれだけの人が納得できるのだろうか」と疑問を投げかけた。
 自宅が半壊した小松こづ江さん(72)は「うちの場合は解体費用が全額公費で賄われるが、70年間暮らしてきた思い出が失われると思うと決断できない。1年7カ月の間ずっと悩み続けている」と苦しい胸中を明かした。

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