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特集 : 熱海土石流災害

議事録ない「検討会」開催 県検証委、周知せず2回【熱海土石流】

 熱海市伊豆山の大規模土石流を巡り、県と市の行政手続きを検証した行政対応検証委員会(委員長・青島伸雄弁護士)が正式な会合とは別に議事録を残さない「検討会」を2回開催していたことが14日までの県関係者への取材で分かった。川勝平太知事は検証の過程を全面的に明らかにすると表明していたが、検証委は「検討会」の存在や議事内容を説明していない。

県行政対応検証委員会の開催日程と対応状況
県行政対応検証委員会の開催日程と対応状況

 県関係者によると、「検討会」と称した会合は4月28日と5月11日に開催。4人の委員全員と県職員OBの事務局員が対面やリモートで参加し、委員同士が意見交換して最終報告案の文面を調整したという。青島委員長と事務局が相談して開催を決めたとされるが、青島委員長は5月の最終会合後の記者会見で「検討会」の存在を説明していなかった。
 検証委の会合は全て非公開。通常の会合の日時は事前に報道機関に発表され、各回の議事録を最終報告後にまとめて公表した。「検討会」は報道発表せず、議事録ややりとりの分かるメモも作っていなかったという。
 川勝知事は2月の記者会見で、検証委の議事内容に関して「ありていに全ての事実を報告する。検証の過程を明らかにしたい」と述べていた。
 検証委は、市が措置命令を見送った県土採取等規制条例など一部の関係法令に重点化して最終報告をまとめたが、県が規制を見送った砂防ダム上流域の砂防法の問題は「手が回らなかった」として十分検証しなかった。
 検証委を所管する県経営管理部総務課は「事務局は解散したので(検討会の)内容を聞かれても答えようがない」としている。

 ■解説 “裏会合”報告の正統性に疑問
 県の行政対応検証委員会は、27人が犠牲になった「人災」である大惨事の行政手続きを評価する重責を担っていた。その報告書の中身は訴訟や捜査、今後の行政対応に影響を与えかねず、会合を全て公開し、議事内容を検証可能にするのが筋と言える。
 しかし、検証委は会合を非公開とした。ならば、検証可能な議事録を取るべきだが、議事録を残さずに報告書について協議する、いわば“裏会合”の場を設けていた。重責を自覚しているように思えない。
 なぜ、一部の関係法令に検証を重点化し、崩落した盛り土と周辺の開発行為との関係にも踏み込まないのか。報告書の公表後、数々の疑念が浮上している。
 議事録をなぜ残さなかったのかという疑念も加わった。説明責任を果たさない検証委の対応を踏まえれば、規約にある「公正・中立な立場」は担保できていない。結論を導き出した過程を伏せた“裏会合”で作られた報告書に正統性はないのではないか。
 (社会部・大橋弘典)

 県の行政対応検証委員会 行政学や土木技術の専門家、弁護士ら4人の委員で構成される。県が設置し、熱海市が協力する形で昨年12月から今年5月にかけて正式会合を4回開催した。一部の報道で「第三者委員会」と呼ばれていたが、当時の行政手続きに関わった職員へのヒアリングを直接行わず、県職員OBでつくる事務局が県の担当部署と頻繁にやりとりしていた実態が判明している。

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