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損害賠償請求訴訟 市と県、争う姿勢 違法盛り土「黙認」法的責任を否定 熱海土石流

 熱海市伊豆山の大規模土石流を巡り、起点となった土地で違法な盛り土造成を黙認したなどとして、遺族らが同市と県に計約64億円の損害賠償を求めた訴訟で、市と県が請求棄却を求める答弁書を静岡地裁沼津支部に提出したことが7日、原告への取材で分かった。一連の行政対応について、市と県は違法な権限不行使には当たらないと主張している。

静岡地裁沼津支部
静岡地裁沼津支部

 遺族らは、市が前土地所有者の不動産管理会社(神奈川県小田原市)の届け出書に不備があったにもかかわらず受理したことや、市が県条例に基づく措置命令を見送った際に、県が市に行政対応の是正を求めなかったのは違法と訴えている。
 市は答弁書で、再三にわたり同社に行政指導を行ったが、県条例の罰則が緩く抑止力が不十分だったため同社が応じなかったと主張。遺族らが内閣府の「避難情報に関するガイドライン」を根拠に、発災前に市が避難指示を出す義務があったと訴えている点については「必ずしもガイドラインに縛られない」と反論した。
 一方、県は答弁書で「盛り土の危険性を明確に認識していなかった」と主張。市の判断で措置命令を見送ったとして「地方公共団体の自主性に配慮するとの原則に照らし、市に対応させたのは妥当」としている。
 遺族らと市、県の訴訟は今月14日に静岡地裁沼津支部で第1回口頭弁論が行われる。遺族らは盛り土の現旧所有者らを相手取った損害賠償請求訴訟も起こしている。同支部は両訴訟を併合審理する方針。

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