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特集 : 熱海土石流災害

熱海土石流 砂防規制放置、県「地権者の同意得にくいと判断」

 熱海市伊豆山の大規模土石流を巡り、土石流危険渓流の逢初(あいぞめ)川上流域で盛り土を規制する区域「砂防指定地」の拡大を見送り、約20年間放置していた問題で、静岡県は2日、規制拡大を見送った理由に関し「(地権者の)同意を得にくいと判断した」と推測する見解を発表した。ただ、当時の関係職員にヒアリングは実施しておらず、地権者との交渉記録など具体的な根拠は示さなかった。

逢初川流域の砂防指定地の指定状況
逢初川流域の砂防指定地の指定状況

 関係職員に聴取していない理由について、県庁で記者会見した難波喬司理事は「当時の担当者の判断というよりも、われわれが一般的にどのような事務をやっているかを考えれば、なぜ、このように指定(申請)したか分かる。ヒアリングするまでもない事実だ」と述べ、現在の砂防課職員と相談して約20年前の判断を推測したと説明した。
 盛り土を造成した当時の前土地所有者を含め、同意を求めるための地権者との交渉記録に関しては確認できていないという。
 また、逢初川上流域が森林法や県土採取等規制条例で規制を受けることも理由として挙げたが、これらの法令は盛り土の面積が要件を上回らないと規制されない。砂防法で砂防指定地に指定されると盛り土の面積に関係なく規制可能で、土砂の投棄だけでも対象になるが、難波理事は「他法令により管理されている」と見送りの理由を語った。

 ■市長個人としては訴訟 補助参加せず 「市の主張と同じ」
 熱海市の斉藤栄市長は2日、市議会6月定例会に提出する議案の説明会見で、同市伊豆山の大規模土石流を巡る損害賠償請求訴訟に、市が遺族ら原告側の「補助参加人」として参加する意向を改めて表明した。市長個人としては「市の主張と同じなので参加しない」との考えを示した。
 市は6月定例会に市の補助参加に関する議案を提出する。市議会は開会日の9日に同議案を先議し、即日採決する。可決の見通し。
 訴訟では遺族、被災者計84人が土石流の起点となった盛り土の現旧所有者らに対し、総額約58億円の損害賠償を求めている。遺族らは現旧所有者が盛り土の危険性を認識していたかどうかを立証するため、市と県に訴訟への参加を要請している。
 現所有者側も市や県、斉藤市長に訴訟への参加を促す訴訟告知を行った。訴訟告知では発災前に避難指示を出さなかった市長の責任を指摘しているが、斉藤市長は「市の主張に(自身の主張も)含まれる」と述べた。

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