テーマ : 熱海土石流災害

静岡・杉尾の盛り土 仮設ダム設置へ 代執行には数カ月

 静岡県は25日、静岡県庁で開いた盛り土対策会議で、土石流危険渓流に造成された静岡市葵区杉尾地区の無許可盛り土に関し、行政代執行で盛り土を是正するまでの応急対策として、流出土砂を受け止める仮設ダムを設置する方針を明らかにした。行政代執行は県が工事の設計作業を進めていて、是正まで数カ月間かかるとみられる。

土石流危険渓流に造成された静岡市葵区杉尾地区の盛り土=1月中旬、同区(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
土石流危険渓流に造成された静岡市葵区杉尾地区の盛り土=1月中旬、同区(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)

 仮設ダムは高さ4メートル、幅10メートルで、大型土のうを積み上げて金属かごやシートで覆い、下流側への土砂を食い止める。ただ、行政代執行が終わるまで周辺住民の避難の必要性は変わらないため、盛り土の微妙な動きを感知する地盤傾斜計と、土砂の流出を確認する土石流センサーを5月末までに設置して監視を強化。情報提供体制を徹底する。
 同じ業者が造成した日向地区の無許可盛り土に関しては土石流センサーを設置するが、仮設ダムは設けない。県は杉尾の盛り土と比べて人家との距離が離れているためだとしている。
 会議では、熱海市伊豆山の大規模土石流の起点付近に残る不安定土砂の撤去についても行政代執行の状況を報告し、撤去作業の完了が当初予定の5月末ごろから6月末ごろに遅れる見通しも示した。県の説明によると、降雨時や降雨後の現場状況が想定以上に悪く、計画工程に遅れが生じているという。市が9月1日に予定する伊豆山地区の警戒区域解除のスケジュールには影響はないとした。

いい茶0

熱海土石流災害の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞