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熱海土石流 盛り土造成会社に措置命令見送り 「市の法的責任」指摘 県検証委の出石氏/関東学院大法学部長

 熱海市伊豆山の大規模土石流で、盛り土を造成した神奈川県小田原市の不動産管理会社「新幹線ビルディング」(天野二三男代表取締役)に対して安全対策を講じる措置命令の見送りに関し、市が「法的責任はない」と総括したことについて、県行政対応検証委員会の委員も務めた行政手続きの専門家が25日、静岡新聞社の取材に応じ、市は法令に基づく必要な手続きを踏んでいないとして「法的責任がある」との見解を示した。同市と県は、遺族らから損害賠償を求める訴訟を起こされていて、命令見送りの経緯は重要な論点の一つ。

「行政権限の不行使には当たらない」との表現で法的責任を否定する熱海市の総括
「行政権限の不行使には当たらない」との表現で法的責任を否定する熱海市の総括
出石稔教授
出石稔教授
措置命令見送りに関する経過
措置命令見送りに関する経過
「行政権限の不行使には当たらない」との表現で法的責任を否定する熱海市の総括
出石稔教授
措置命令見送りに関する経過


 総括批判、基準未作成など問題視 
 県検証委委員で関東学院大法学部長の出石稔教授(行政法)が見解を述べた。市は17日に公表した総括で、2011年に措置命令の発出を決めながら見送った理由について、同社が防災対策を講じ下流域への土砂流出の危険性が減ったと判断した点を挙げた。
 出石氏は、市行政手続条例で措置命令などを科す手順を定めることが明記されているにもかかわらず、実際は作られていない点を問題視。「本来は処分基準を作り、それに基づき命令を出さなければならなかった。防災対策は理由になっていない」と指摘した。
 命令見送りについては、どのような防災対策を行うか確認するための図面添付がないまま、工事の届出書を市が受理していた不備も県検証で明らかになっている。
 市は総括で、盛り土造成に際し重要項目が空欄のまま同社から届出書を受理した理由に言及。届け出の根拠となる県土採取等規制条例の規制力の弱さを挙げ、「受理には一定の合理性があった」と強調した。出石氏は、市は同条例に基づいて勧告や措置命令、さらには行政代執行の権限も行使できたが、行使していなかったとして「市の主張は誤り」と厳しく批判した。

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