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盛り土旧所有者 請求棄却求める 損賠訴訟で準備書面【熱海土石流】

 熱海市伊豆山の大規模土石流の遺族ら計84人が、崩落した盛り土を含む土地の現旧所有者らに計約58億円の損害賠償を求めた訴訟の弁論準備手続きが6日、静岡地裁沼津支部であり、旧所有者側が初出廷した。終了後の取材に、代理人の大森一志弁護士は、同日までに請求棄却を求める準備書面を同支部に提出したことを明らかにした。
 準備書面では、原告側の指摘が具体性に欠け、どの行為に違法性があるのか「理解できない」と訴えた。盛り土造成と土石流の因果関係も明らかにしていないとした。
 大森弁護士は「責任の押し付け合いをするつもりはない。責任の所在が誰にどの程度あるのかはっきりさせたい」と述べ、「被害弁償には誠実に対応するつもりだ。社会的責任はあると思う」と語った。
 現所有者側代理人の河合弘之弁護士も沼津市内で記者会見を開き、原告側が市と県も提訴することについて「真相究明に役に立つ。あるべき裁判の形になってきた」と評価した。ただ、発災前に避難指示を出さなかった斉藤栄市長を被告にしない原告側の方針に「誠に遺憾」と述べ、個人の責任を追及する必要性に言及した。
 原告側は1日に現所有者が盛り土の危険性を認識していたとする元部下の陳述書を提出している。現所有者はこれまで、「盛り土があることを認識していなかった」と主張していた。原告側の轟木博信弁護士は、県の行政対応検証委員会の最終報告書などを参考に現旧所有者の法的責任を追及し「審理を早期に進めていきたい」と述べた。
 市と県に対する損害賠償請求は8月末までに提訴する方針。提訴後、二つの訴訟は併合審理される見通し。

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