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熱海土石流 第三者委の検証体制を問題視 委員への資料提供「不十分」 県議会特別委報告書

 熱海土石流に関する県議会特別委員会が26日にまとめた報告書は、県が設置した行政対応検証委員会(第三者委員会)の検証体制を問題視した。第三者委の事務局から委員への資料提供が不十分だった点などを指摘し、「十分な検証が行われる環境が整っていたのか」と疑問視した。

熱海土石流に関する県議会特別委員会の報告書で問題視された検証体制
熱海土石流に関する県議会特別委員会の報告書で問題視された検証体制

 第三者委は県職員OBで構成する事務局が委員に資料を提供し、その資料に基づいて2021年12月から22年5月まで検証が行われていた。ところが、県議会に参考人として招いた委員への聴取で、事務局からの提供資料が一部の法令や一定の期間に限定されていたことが判明した。
 県議会特別委の報告書は、県所管法令が十分に検証されなかった背景として、こうした「第三者委の進め方」を挙げた。検証期間の短さや議事録のない会議の存在、検証すべき法令に関する事実関係の把握が不十分な点などにも触れて「公正・中立な手法により検証されているとは言い難い」とした。昨年9月の台風15号をはじめ県内で相次いでいる盛り土崩落を踏まえ、検証対象を限定した第三者委の検証が再発防止策を導くことができていないとも指摘した。
 報告書は県の組織文化や県職員の意識にも踏み込んだ。「悪質な事業者の行為から県民を守らなければならないという視点に欠けていた」とし、研修会などを通した職員の意識改革や公文書保存ルールの徹底を求めた。
 熱海市選出の藤曲敬宏県議は「第三者委の検証が内部検証の延長に過ぎず、不十分だったと明確になった意義は大きい」と語った。

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