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土石流起点 現旧土地所有者、盛り土責任どちらも否定【熱海百条委・証人尋問】

 熱海市伊豆山の大規模土石流に関する市議会調査特別委員会(百条委員会)は12日、土石流の起点となった盛り土を含む土地の現旧所有者への証人尋問を行った。2011年まで土地を所有していた不動産管理会社(神奈川県小田原市)代表(72)は「土地を別の業者に貸しただけで、盛り土の行為者ではない」とし、現所有者(85)は「現地に行ったことがなく、危険の認識がなかった」と、どちらも違法状態の盛り土の管理責任を否定した。

盛り土の現旧所有者の認識の違い
盛り土の現旧所有者の認識の違い

 現旧所有者が公の場で発言したのは初めて。旧所有者は盛り土造成を市に届け出た2007年以降、法令違反を繰り返し、市や県から何度も行政指導を受けた。盛り土は県土採取等規制条例の基準の高さ15メートルを大幅に超える推定約50メートルに達し、土砂流出なども起きていた。しかし、同社代表は「盛り土は安定していた。この10年間、何も起きていないことが証明している」と持論を述べた。
 空欄などの不備のある同社の書類を市が受理したことについては「適正かどうかを判断するのが行政の職務。検証せずに許可していたのなら問題だ」と行政の対応を批判した。
 旧所有者は11年2月、3億円で現所有者に土地を売却した。契約書には、盛り土の防災工事が未完であることが記されていたが、現所有者は「仲介した不動産業者に任せていたので、内容は分からない」と述べた。
 売買契約の後、現旧所有者は市や県を交えて盛り土の防災工事について協議し、旧所有者側は水路整備などの工事を行った。施工業者は工事代金を現所有者に請求したが、「支払われなかったので(防災工事を)中止した」と証言している。これについて現所有者は「工事の必要性を認識していなかった」とした上で「旧所有者が支払うべきもの」との認識を示した。
 公文書では、現所有者が防災工事を行うと市に約束したとの記載もあるが「県や市から工事を頼まれた記憶もない」と述べた。

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