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熱海土石流 行政対応検証、独立性に疑問 議事録取らぬ会合/県任せのヒアリング…事務局主導の運営浮き彫り

 残土の山が崩落して未曽有の「人災」となった熱海市伊豆山の大規模土石流に関する行政手続きの検証に独立性はあったのか。11日の県議会特別委員会では、関係した県職員へのヒアリングを県に任せたり、議事録を作成しない会合を開いたりした県行政対応検証委員会(委員長・青島伸雄弁護士)に厳しい目が向けられた。質疑を通し、検証委が県職員OBで構成された事務局主導で運営されていたことが浮き彫りになった。

県行政対応検証委員長を務めた青島伸雄弁護士(中央)ら検証委員3人が出席した県議会の特別委員会=11日午前、県庁
県行政対応検証委員長を務めた青島伸雄弁護士(中央)ら検証委員3人が出席した県議会の特別委員会=11日午前、県庁

 県議側がまず問題視したのは検証期間の短さだった。検証委は昨年12月に初会合を開いたが、県は今年3月に検証結果をまとめるよう委員に求めた。「(検証期間が)短かった。県から言われたのでやらざるを得ない」と参考人として招致された青島氏は振り返った。
 報告書の取りまとめ段階で議事録が作成されない会合を2回開いたことも取り上げられた。質疑には、検証委員だった植松真樹弁護士、小高猛司名城大教授も出席。検証委員側は議事録の作成や公開は拒んでおらず、事務局員が作らないと判断したと口々に明かした。
 蓮池章平県議が「議事録を作らなくていいと、事務局員の県職員OBに指示したのは誰か」と県の担当者に確認を要請。重要情報が報告されなかった県の組織風土も問題視し「率直な職員の声を聴き、公文書では出てこない部分を突っ込んでほしかった」と県に任せたヒアリング方法を疑問視した。
 こうしたやりとりを踏まえて、招致した検証委員や専門家からも再検証を望む声が上がった。植松氏は「しかるべき機関で検討してもらうのが良いのではないか」と別の機関での再検証を提案。参考人として出席した土木設計エンジニアの清水浩氏は「(市に権限のある)県土採取等規制条例だけに焦点を当てたことは非常に疑問だ。もう少し範囲を広げて検証すべきだ」と述べた。

 ■「広域開発対象」「議会主導」 再検証に向け提案
 「広域的な開発行為を検証対象に」「議会主導による検証も」―。県議会特別委員会は11日の参考人招致後に討論を行い、県議からは特別委の提言に盛り込む再検証に関してさまざまな方法が提案された。
 広田直美県議は「崩落部だけでなく一体的な開発に着眼すると、新たな事実が出てくる可能性がある」として、逢初(あいぞめ)川と鳴沢川の流域を対象にした都市計画法に基づく開発行為全体を検証すべきだとした。
 河原崎聖県議は「まず検証作業で何をすべきなのかを出してから、検証方法を検討することが大事だ」と指摘し、桜井勝郎県議は行政主導の検証の限界に触れ「議会が主導して、有識者にお願いし新たに第三者委員会を設置すべき」と述べた。

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