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20年前の土砂崩れ「未検証」 知事認める 熱海市伊豆山

 熱海市伊豆山で盛り土が崩落して28人が死亡した大規模土石流の起点で20年前に乱開発に伴う土砂崩れが発生していたことに関し、川勝平太知事は11日の定例記者会見で、行政対応と技術的な発生原因に関する二つの検証委員会に情報提供せず、未検証だったことを認めた。20年前の土砂崩れと盛り土崩落の関係については、技術面に関する検証委員の意見を聴取して追加検証する方針を示した。
 土砂崩れは業者の無許可開発に関連した2003年の県の行政文書に記載され、土石流最大波のきっかけになった可能性のある盛り土崩落部で発生していた。
 川勝知事は会見で「地形改変の情報は検証委員に提供している」といったん説明したが、その場で担当者に確認した結果、土砂崩れの情報を提供していなかったことが判明した。検証委の事務局を担う杉本敏彦砂防課長は「行政文書で(20年前の土砂崩れを)認識していたが、部分的な崩壊だったので検証に直結するという認識がなく、検証委員に報告していなかった」と釈明した。今後、無許可開発区域の写真も含めて委員に情報提供し、委員の見解を確認するという。
 検証委の資料には05年の航空写真を基に「崩落地については積極的な地形改変は行われていないように見える」と記されていた。
 一方、行政対応については清水大全総務局参事が「検証委員に確認しない」と明言。また、遺族や被災者から起こされた訴訟の関係部分を再検証から除外することに関して川勝知事は「(再検証を求めた県議会の報告書に)対象外にするなとは書いていない」と理由を述べた。

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