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盛り土撤去命令 取り消し訴訟 静岡県、請求棄却求める

 熱海市伊豆山の大規模土石流の起点で不安定な状態で残っている盛り土を巡り、今年7月施行の県盛り土規制条例に基づき、県から土砂撤去の措置命令を受けた不動産管理会社「新幹線ビルディング」(神奈川県小田原市)が命令の取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が18日、静岡地裁(増田吉則裁判長)であった。県は請求棄却を求めて全面的に争う姿勢を示した。

静岡地裁
静岡地裁

 同社は2006年から11年まで起点を含む土地を所有し、07年に当時の県条例に基づき盛り土造成を熱海市に届け出た。土石流では約5万5千立方メートルの土砂が流出したとされ、約2万立方メートルの土砂が不安定な状態で起点に残っている。
 訴状で同社は、この土砂を搬入した事実はなく、現土地所有者が盛り土をしたと主張。土地の所有権移転に伴い、造成の届け出は現所有者に承継されているとし、新たな条例を同社に遡及(そきゅう)適用するのは憲法違反だと訴えている。
 一方、県は同社が盛り土の行為者であり、造成の完了届も提出していないため、盛り土の管理責任があると主張している。
 不安定土砂の撤去は、被災エリアの立ち入り規制を解除するための条件の一つになっている。熱海市は5月、旧条例に基づき同社に撤去を命じる措置命令を発出したが、同社は応じなかった。
 新条例施行に伴い、市から指導権限を引き継いだ県は8月、同社に改めて措置命令を出したが、同社は従わなかった。県は10月、警戒区域の早期解除に向けて、不安定土砂を撤去する行政代執行に踏み切った。土砂の処分には10億円以上を要するとみられ、県は同社に請求する方針を示している。

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