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盛り土造成、関与否定 現旧所有者の関係者 百条委・証人尋問【熱海土石流】

 熱海市伊豆山の大規模土石流に関する市議会調査特別委員会(百条委員会)は12日、前日に続き証人尋問を行った。土石流の起点となった盛り土を含む土地の現旧所有者ら計6人が呼ばれていて、午前は現所有者(85)の関係会社の従業員と、公文書で盛り土造成に関与したとされている業者の幹部が出頭した。両者は違法状態にあった盛り土の造成や防災工事への関与を否定した。
 2010年夏ごろから盛り土造成に関わったとされる業者の幹部は、前所有者である不動産管理会社の代表(72)の依頼で残土を運搬したと証言。ただ、別の業者が既に盛り土を施工していて、起点の北側の土地に運ぶよう指示されたと証言した。10年7月ごろには「盛り土は9~10段ぐらいに積み上げられていた。あんなに盛ったら駄目だと思った」と述べた。
 前所有者はこれまでの取材に盛り土造成への関与を否定しているが、これまでの百条委で複数の参考人が造成を主導したのは前所有者と証言している。
 市は、前所有者側が11年10月ごろまで防災工事の一部を実施し、一定の安定性が確保されたと判断した。その後、現所有者が防災工事を引き継ぐ意向を示したことを踏まえ、前所有者への措置命令発出を見送っている。
 現所有者の関係者によると、現所有者は防災工事を関係会社の従業員に指示したとされる。しかし、証人の従業員は「何も指示は受けていない。そもそも熱海市から(盛り土に)触るなと言われていたので、やっていない」と証言。現所有者はその後も防災工事を実施する意向を市に示したが、事実上放置された。市はパトロールを続けたものの、特に異常が見られなかったため、斉藤栄市長に報告していなかった。
 現旧所有者への証人尋問は午後に予定されている。盛り土崩落の危険性や防災工事の必要性の認識、行政指導に対する当時の対応などをただす見通し。

 市対応厳しく指摘へ 県の検証 第三者委
 熱海市伊豆山の大規模土石流で、崩落した盛り土の造成に関する県と市の行政対応について検証する県の第三者委員会が、同市の手続きを厳しく指摘する内容を13日までに取りまとめる最終報告に盛り込む方向で最終調整していることが、12日までに関係者への取材で分かった。関係者によると「市に対して相当厳しい内容が多く含まれている」としている。
 同市の手続きを巡っては、起点の土地の前所有者である神奈川県小田原市の不動産管理会社から2007年に盛り土造成の届け出を受けた際、書面に不備がある状態で受理していたことが既に判明。不適切な開発を繰り返す同社に対し、防災工事を求める措置命令を出す方針を固めながら、最終的に見送ったことなども分かっている。検証委は、こうした対応に踏み込んだ指摘をするとみられる。
 市は4月、盛り土の行政手続きに関わった職員への調査で、県に積極的な関与を求めたが、受け入れられなかったとする内容をまとめた。ただ、県と市のやりとりは現場レベルで行われていて、斉藤栄市長が川勝平太知事や副知事に相談や要望をした形跡はみられない。検証委は、こういった連携不足についても言及する見通し。

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