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応急の排水設備公開 被災者「まだ不安ぬぐえない」【熱海土石流】

 静岡県は3日、熱海市伊豆山の大規模土石流の起点で崩れずに残っている盛り土の崩落を防ぐために応急的に整備した排水設備を被災者や住民に公開した。土砂災害の危険が高まる出水期を前に、初めて起点に立ち入った被災者からは「まだ不安がぬぐえない」との声や「悔しさがこみ上げてきた」と、ずさんな盛り土を造成した業者への怒りの声が聞かれた。

盛り土の崩落現場に初めて立ち入り、現状を確認する住民=3日午後、熱海市伊豆山
盛り土の崩落現場に初めて立ち入り、現状を確認する住民=3日午後、熱海市伊豆山
盛り土部分に整備された排水路=3日午後、熱海市伊豆山
盛り土部分に整備された排水路=3日午後、熱海市伊豆山
盛り土の崩落現場に初めて立ち入り、現状を確認する住民=3日午後、熱海市伊豆山
盛り土部分に整備された排水路=3日午後、熱海市伊豆山


 起点には、約2万立方メートルの盛り土が不安定な状態で残っている。県は4月28日から今月2日まで、崩落部分に排水路などを設ける工事を行った。県熱海土木事務所の杉本文和所長は「雨水の流入と地下水位の上昇を抑え、一定の安定性を確保した」と説明。一方で「豪雨による崩壊の恐れはまだ秘めている」として、監視態勢を強化していると述べた。
 県によると、逢初(あいぞめ)川上流部に設置されている既存の砂防ダムが受け止められる土砂量は約4千立方メートル。中流域の自宅が被災した中島秀人さん(53)は「全ての盛り土が崩れた場合、どうなるのか。人的被害につながらないか心配」と話した。
 起点に残っている盛り土について、市は前土地所有者の不動産管理会社(神奈川県小田原市)に安全対策を講じるよう措置命令を発出した。ただ、従わない場合は行政代執行が行われる可能性がある。被災者の志村信彦さん(41)は「事業者が撤去すべきであり、公金が投入されるのは納得できない」と話した。 

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