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小田原市が報告書の「たたき台」提供 不適切施工、盛り土会社側に

 熱海市伊豆山の大規模土石流の起点となった土地で盛り土をした不動産管理会社(清算)が2009~10年、地元の神奈川県小田原市で手掛けた宅地造成工事を巡り、同市が不適切な施工の原因を文書で報告するよう同社側に求めた際、職員が報告書の「たたき台」を提供していたことが23日、関係者への取材で分かった。市開発審査課は「(たたき台作成の)経緯は分からない」としつつ、こうした文書を提供することは「通常はない」と説明した。

不動産管理会社を巡る構図
不動産管理会社を巡る構図

 不動産管理会社を巡っては、不適切な盛り土を問題視した熱海市が条例に基づく措置命令や停止命令の発令を検討したものの、最終的に見送っていたことが既に判明。同社は各地で不適切な造成を繰り返したとみられるが、熱海市以外の自治体で問題となりそうな対応が明らかになるのは初めて。小田原市は検証を迫られる可能性がある。
 関係者によると、小田原市での宅地造成工事は、不動産管理会社が山梨県甲州市の関連会社に発注。工事中、擁壁にひび割れが見つかるなどしたため、小田原市は原因や対処法を文書で報告するよう要請した。
 10年8月に関連会社へファクスされた文書では、「報告書のたたき台を作ってみました」とした上で、ひび割れの修繕方法やコンクリート塊の処理法などの指摘事項を7点列挙。報告書に添付すべき写真も詳しく説明した。元市幹部によると、不動産管理会社の担当者は市職員に対し理不尽に抗議することがあり、役所内で問題になっていた。市開発審査課によると、工事は10年9月に完了。差出人としてファクスに氏名が書かれた職員は既に退職している。
 関連会社の元代表取締役は取材に「現場のことは分からない」と話した。
 熱海市の大規模土石流は今年7月3日に発生。26人が死亡し、依然1人が行方不明のまま。静岡県は命令の見送りが適切だったかどうか検証を進めている。遺族は盛り土が被害を拡大させたとして、同社の元幹部らを刑事告訴している。

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