「宝探し」自由に楽しんで 音楽、雑貨、飲食のイベント「ハミングバード」 静岡で10月28、29日
「なんかいいコト、モノあるかも」を合言葉に音楽と雑貨や飲食を楽しむイベント「HummingBird(ハミングバード)」が静岡市駿河区の広野海岸公園で28、29日に開催される。春と秋に開かれ、今回で5回目。地元住民から県外観光客まで2日間で1万人を集める人気イベントについて、主催者の小田切桂さんは「自由に“宝探し”を楽しんでほしい」と語る。
小田切さんは静岡市内にレゲエ文化が広がっていなかった約30年前、レコード店を兼ねたバー「ONE BLOOD(ワンブラッド)」をオープンした。全国から一目置かれる存在になった今、紡いできた絆への感謝を込めて企画したイベントが「ハミングバード」。ジャマイカの国鳥ハチドリの英名を冠した。ハチドリは同国で愛や幸せを伝える使者とされる。「そんな存在になりたい」という願いを託した。
初開催は新型コロナウイルス禍の2021年秋。実現へのハードルは高かったが、地元の協力も得て実現した。レゲエ音楽の根底にある愛や差別のない世界の追求は今の時代に必要なことだという実感があった。
5回目の開催は、レゲエやサンバの演奏だけでなくキッズダンス、コミックプロレスなどを四つのステージで展開する。「音楽を楽しむことは最も平和で、人類にしかない文化だと思う。偶然居合わせた人にも伝わるプログラムを心がけている」と、主催者としての決意を明かす。
28日には日本レゲエ界を代表する「FIRE BALL」のSTICKOら3人によるユニット「Fried Jamming Fish」が初登場。70歳の大御所「ランキンタクシー」は29日に出演する。
「僕は小さなハチドリのままでいい。年に2回、365日のうちの4日、非日常を満喫してほしい。『楽しかったね』と話しながら帰ってくれることが理想」と小田切さん。カリブの宝島と称されるジャマイカのような、幸福感に満ちた空間を目指す。
(教育文化部・名倉佐記)