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テーマ : 芸能・音楽・舞台

小澤征爾さんとの交流紹介 長泉・井上靖文学館 原稿や写真で振り返る

 世界的な指揮者の小澤征爾さんが今月上旬に88歳で亡くなったことを受け、長泉町の井上靖文学館は作家・井上靖(1907~91年)と小澤さんの交流を紹介するコーナーを設けた。小澤さんが「心の支え」として大切にした井上との思い出を記した原稿や、2人の生前の交流を振り返る資料が並ぶ。3月12日まで。

2人の関係性を振り返る資料が並ぶコーナー=長泉町井上靖文学館
2人の関係性を振り返る資料が並ぶコーナー=長泉町井上靖文学館

 同文学館によると、井上は新聞記者時代、1960年のローマ五輪取材で初めてヨーロッパを訪れた。その案内役が前年の国際指揮者コンクールで優勝したものの仕事に結びつかず、日本に帰国しようか悩んでいた小澤さんだった。井上は「文学者は外国の人に自分の作品を読んでもらうのは難しいが、音楽なら理解してくれる」と励まし、交流が始まったという。
 展示では2人の交友歴をまとめた年表や、日本の文化に貢献した人に贈られる第1回井上靖文化賞受賞時の小澤さんの写真など貴重な資料が並ぶ。学芸員の徳山加陽さん(38)は「小澤さんは生前の井上と交流があった最後の世代。文学と音楽は違う分野だが、互いに好影響を受けているのがわかるはず」と話した。
 死去が報じられてから、同館には「小澤さんの展示コーナーはあるのか」などの問い合わせが多く寄せられていたという。
 (東部総局・天羽桜子)

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