小説「ラブカは静かに弓を持つ」作者のトーク、チェロ演奏の融合
2023年本屋大賞で第2位になった音楽小説「ラブカは静かに弓を持つ」を題材にしたトークと演奏会(静岡県文化財団など主催)が、静岡市駿河区のグランシップで開かれた。小説の著者の安壇美緒さんと浜松市在住のチェリスト横坂源さんが作品に込めた思いや演奏を披露した。
小説は、音楽教室で潜入調査するスパイが美しいチェロの音色に心を動かされるストーリー。安壇さんは執筆に当たりチェロについて「調べれば調べるほど素晴らしい楽器だと感じた」と語った。お気に入りの場面を朗読し「クラシック音楽を聴きながら作品を書いていた。自分が苦しいときには音楽が助けてくれる」と振り返った。
横坂さんは小説を読んで着想を得た曲でプログラムを構成。ラフマニノフなど約10曲を演奏し、来場者約300人を引きつけた。