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テーマ : 芸能・音楽・舞台

袋井「法多山の田遊び」国重要民俗文化財に 文化審指定答申、栃木の鋳物用具なども

 文化審議会は19日、袋井市の「法多山の田遊び」など4件を重要無形民俗文化財に、東日本の鋳物の一大産地、栃木県佐野市の「佐野の天明(てんみょう)鋳物生産用具および製品」を重要有形民俗文化財に指定するよう文部科学相に答申した。近く答申通り指定される。
 「法多山の田遊び」は、豊作を願い稲作の工程を模擬的に演じる「田遊び」の遠州周辺の特徴をよく伝えているとして選ばれた。
 佐野の鋳物生産は平安時代が起源とされる。指定の対象は、明治から大正期を中心に製造・使用された用具と製品1556点。溶解炉やたたら板といった一連の生産工程の用具や、羽釜や鉄瓶などの製品を含む。「鋳物師の技術の高さをうかがうことができ、わが国の鋳物生産の変遷を考える上で重要だ」とした。
 重要無形民俗文化財は他に、香川県・小豆島の「小豆島農村歌舞伎」など。指定により重要無形民俗文化財は333件(静岡県内は12件)、重要有形民俗文化財は227件(静岡県内は2件)となる。
 北海道開拓に重要な役割を果たした馬の蹄鉄(ていてつ)に関する「鷹栖の装蹄用具および関連資料」など2件を登録有形民俗文化財に、山形県の「庄内の笹巻製造技術」など2件を登録無形民俗文化財にすることも求めた。2021年の文化財保護法改正で新設された登録無形民俗文化財は6件となり、いずれも食文化関連の技術。
 また消滅の恐れがあり記録を残すべき無形の民俗文化財に、高知県津野町で伝承されている風流踊(ふりゅうおどり)の一つ「葉山の花取踊」など3件を選んだ。
 「法多山の田遊び」室町時代から 豊作祈る7段の舞
 「法多山の田遊び」は、法多山尊永寺(袋井市)で室町時代から継承されてきたと伝わる。稲作の工程を模した全7段の舞や祝詞などを奉納して、その年の五穀豊穣(ほうじょう)を祈願する。暴れる牛を鎮める「田打ち・牛ほめ」=袋井市の法多山尊永寺  舞は清めの「太刀の舞」で幕を開ける。中盤の「田打ち・牛ほめ」ではくわを担いだ兄弟と暴れ牛が登場し、狂言要素を含む軽妙な掛け合いを繰り広げる。最後は花がさをかぶった若衆が華やかな舞を披露する「そうとめ」で締めくくる。
 現在は同祭保存会員によって伝統が引き継がれ、毎年1月7日に本堂前で執り行われている。

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