あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 芸能・音楽・舞台

小澤征爾さん死去 「みんなの憧れ」「精神受け継ぐ」 静岡県内ゆかりの音楽家、悼む

 「励みだった」「みんなの憧れ」-。小澤征爾さんの訃報を受け、静岡県ゆかりの音楽家から悼む声が聞かれた。
 静岡市民を中心に運営する演奏会企画団体「静岡音楽友の会」の三城苑子代表(76)=静岡市葵区=は小澤さんと同じ桐朋学園卒。1987年、同団体の静岡市民文化会館での演奏会に小澤さんが学生オーケストラを率いて出演したことをはっきり記憶する。「先頭に立って楽屋に入ってきた姿が印象深い。同窓生として恩恵にあずかったし、励みにさせていただいた」と語る。
 富士山静岡交響楽団首席指揮者の高関健さん(68)は桐朋学園大2年時にレッスンを受けて以来の付き合い。ドイツ・ベルリンでの留学時代や、小澤さんの米国公演時などの際はアシスタントを務めた。「私たちの世代にとって、憧れの方。みんな小澤さんのような指揮者になりたいと思って勉強していた」と振り返る。後年は「親方と弟子のような関係」と形容。「小澤さんがいらっしゃったから、自分は音楽家の一人になれた」と述懐した。
 小澤さんが率いた新日本フィルハーモニー交響楽団のトランペット副首席奏者で静岡市出身の市川和彦さん(59)は、曲想を徹底的に追求する小澤さんの姿を思い返した。浜松市のアクトシティで行われたウィーンフィルの公演では、小澤さんの提案で演奏に加わった。「日本人による金管楽器が客席上階で演奏することになった。アルプスの山々から聞こえてくるような演奏になって聴衆も驚いていた」と懐かしむ。音楽に対しては常にエネルギッシュ。「若い音楽家、聴衆を大事にする精神は音楽界で受け継がなければ」としのんだ。
(教育文化部・橋爪充、富士支局・宮城徹)

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

芸能・音楽・舞台の記事一覧

他の追っかけを読む