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テーマ : 芸能・音楽・舞台

テイラー・スウィフト来日公演 親しさと華やかさ 観客熱狂

 米ポップスター、テイラー・スウィフトが東京ドームで来日公演を行った。昨年3月からの世界ツアーは興行収入が史上最高の10億ドルを突破。東京公演2日前には米音楽界最高の栄誉とされるグラミー賞の最優秀アルバム賞で史上最多となる4回目の受賞を果たした。その勢いは止まらない。

東京ドームのステージに立つテイラー・スウィフト=2月、東京都文京区(©TAS Rights Management)
東京ドームのステージに立つテイラー・スウィフト=2月、東京都文京区(©TAS Rights Management)

 公演初日、巨大なステージに現れたテイラーはボディースーツにブーツ、マイクまでも輝いていた。早速披露した「クルーエル・サマー」は昨年の音楽チャートを席巻したばかり。続いてオフィスを模したセットで「もしも私が男なら」と男性優位社会を痛烈に皮肉る「ザ・マン」を歌う。
 4日間で22万人を動員した東京公演。これまでの作品をアルバムごとに振り返っていく世界ツアーの一環で、初期のはじけたポップソングから、内省的な近作まで約3時間15分かけて40曲以上を歌い、踊り、ギターやピアノを弾き語りもした。
 髪をくしゃくしゃいじりながら「(グラミーの)直後に東京に来て『ありがとう』を言えるなんて、こんなうれしいことあるかな」。友人に語るような親しみやすさと、大観衆を熱狂させる華やかな力強さが共存する。
 恋の喜びや別れの苦しみをずっと歌ってきた。昨年、米タイム誌の「今年の人」に選ばれた際のインタビューでは「そういうものは典型的な男性の価値観からすればくだらないと教えられてきたでしょ?」。男性優位の家父長制社会を支えるのは金と名誉だと喝破し「すごく皮肉な見方をすれば、女性的な価値観がもうかると分かれば、女性による芸術はもっとつくられるようになる。そのことにすごく勇気づけられます」と語っていた。
 彼女に憧れ、励まされるファンは世界に広がる。東京公演を見に来たとみられる海外のファンは大手CDチェーン店「タワーレコード」渋谷店にも日本限定のCDなどを求め殺到。「9割以上が中国などからのファン。記憶にない盛り上がりでただただすごい」と担当者も絶句する。「テイラーエフェクト」とも称される経済効果は日本にも届く。
 東京公演を終え米国に戻ると交際相手が出場する米プロフットボールNFLのスーパーボウルを観戦。その一挙手一投足を米メディアが追う。スターの中でも突出して注目度が高いのはなぜか。米ポピュラー文化が専門の慶応大の大和田俊之教授は米国の政治と文化の距離の近さに注目する。
 政治的には保守的なカントリーポップスからキャリアを始めながら、前回大統領選で民主党のバイデン氏を支持したテイラーに「インパクトがあった」と大和田。「分断が深刻な米国で民主、共和両党に回路があるのは大きい。彼女が今後、どこまで大統領選に関わるのかも注目が集まる」

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