ミイナ・オカベ 音楽携え世界を旅したい【春色2024①】
親しい相手に語りかけるような、柔らかく温かい歌声が世界を魅了する。北欧、デンマークを拠点に活動するシンガー・ソングライターのミイナ・オカベ。日本にルーツを持つ彼女の歌が、日本だけでなく各国のファンの心にそっと寄り添う。
「10代の頃の夢は、自分の音楽を携えて世界を旅することでした。いろんな国で自分の音楽を聴いてもらえるのは、ワクワクする経験です」
2021年のデビューアルバムに収録された「エブリー・セカンド」がインスタグラムなどで注目された。幸せな瞬間はいつまで続くのか-。喜びと不安のはざまで揺れる心情を歌う。「いつも先のことを考え過ぎちゃう。大事なのは今この瞬間だと自分に言い聞かせるように書いた曲です」
アコースティックギターが主体のシンプルな音にため息のような歌声が重なる。「パーソナルな部分をさらけ出す曲作りを目指してきた。共感してもらえるとうれしい」
日本人の母とデンマーク人の父の元に生まれ、米国やフィリピンで育った。影響を受けたのは英シンガー・ソングライターのエイミー・ワインハウス。彼女の個性的な歌声から、豊かな声量で難しい曲を歌いこなすだけが歌のうまさではないと学んだ。「私も壮大な歌声はしていない。自分の声に合う曲が書けるようになって自信が付いた」
10代半ばで父の故郷に移った。「自然豊かでゆったりと暮らせる。小さな国で音楽活動を始めるにもちょうど良かった」
日本のテレビドラマの主題歌を手がけるなど、英語以外に、日本語で歌う機会も増えた。「いつか日本に長期滞在して自分のルーツを知りたい」