あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 芸能・音楽・舞台

 視覚効果賞 過去受賞作「E.T」、「マトリックス」 最先端の映像表現競う

 山崎貴監督の「ゴジラ-1・0(マイナスワン)」が射止めた米アカデミー賞の視覚効果賞は、世界のクリエーターが日々しのぎを削る、最先端の映像表現に贈られる技術賞だ。架空の世界がまるで現実かのように見せることを可能にし、観客に大きな驚きを与え、映画の歴史を塗り替える原動力となってきた。
 「2001年宇宙の旅」や「エイリアン」、「スター・ウォーズ」に「E・T」、「マトリックス」…。視覚効果賞の過去の受賞作には誰もが知る超大作がずらりと並ぶ。
 視覚効果(VFX)とは、CGなどを用いた映像加工のこと。古くはミニチュアなどの特撮も含まれ、さまざまな技術や撮影法が、特にSFやファンタジー分野の映画製作を支えてきた。
 最も大きな変化はCGの登場だ。大ヒット作「アバター」のように「モーションキャプチャー」で取り込んだ俳優の表情や動きをCGキャラクターに反映させることも可能になり、実写とCGの境目すら、あいまいになりつつある。
 巨額の予算と潤沢なスタッフがそろうハリウッド映画は、視覚効果部門の覇者。近年も「ファースト・マン」や「DUNE デューン 砂の惑星」など、宇宙や異世界を舞台にした作品で圧倒的な強さを見せてきた。
 そんな「VFX大国」最大の映画の祭典で、比較的予算規模の小さい「ゴジラ-1・0」は、なぜ受賞できたのか。映画評論家の樋口尚文さんは「日本のアナログ特撮の『箱庭美』が継承されているから」だとみる。
 「ハリウッドが描く地球や大陸などの『大きな状況』に対し、ゴジラが描くのは、せいぜい銀座の街などの『小さな状況』。でもショットの美しさと、きめ細かさは、ハリウッドにはまねできない」

 

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

芸能・音楽・舞台の記事一覧

他の追っかけを読む