現代的演出で幽玄世界 野村萬斎さん監修 浜松でアクトシティ能・狂言
「アクトシティ能・狂言」(浜松市、市文化振興財団、静岡新聞社・静岡放送主催)が17日、同市中区のアクトシティ浜松で開かれた。狂言師野村萬斎さんが監修する2演目を披露。洗練された身体表現に現代の演出技術を取り入れた新しい形の伝統芸能が、約1500人の観衆を幽玄の世界へといざなった。
狂言「首引」、能「紅葉狩(もみじがり)」を上演した。姫鬼に人間の“お食い初め”をさせようとする親鬼をコミカルに表現した首引では、シテ(主役)の親鬼を萬斎さん、姫鬼は長男裕基さんが演じた。2人のユーモラスな掛け合いが会場の笑いを誘った。
平安時代中期の武将平維茂と女性に扮(ふん)した鬼との戦いを描く紅葉狩は、観世喜正さんがシテを務めた。クライマックスで正体を現した鬼女が維茂に襲いかかるシーンで、照明効果によって見せ場を強調。舞台機構を活用した独自の演出で魅了した。