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テーマ : 芸能・音楽・舞台

ピアニスト上原ひろみさん(浜松市出身)ら文化庁長官表彰 ソムリエ田崎真也さん(熱海)も

 文化庁は12日、文化活動で優れた功績を上げた人や団体に贈る2023年度の文化庁長官表彰に、ピアニストの上原ひろみさん(44)=浜松市出身=やソムリエの田崎真也さん(65)=熱海市=ら83人と、4団体を選んだと発表した。19日に京都市内で表彰式を開く。
上原ひろみさん 田崎真也さん
 上原さんは世界各地で演奏活動を行い、世代を超えたジャズ文化の隆盛に多大な貢献をした。田崎さんはワイン文化だけでなく、日本酒と焼酎の資格認定試験を設けるなど日本の伝統的な酒類の振興にも努めたと評価された。
 このほか、手塚治虫らが暮らした東京都豊島区の「トキワ荘」の住人だった漫画家水野英子さん(84)や、落語協会最高顧問の鈴々舎馬風さん(83)、「俳句甲子園」などで俳句の普及に取り組む夏井いつきさん(66)らも表彰される。
 本県関係では、長年音楽教育に携わる静岡大名誉教授の北山敦康さん(70)、日本語教育の浸透・普及に務めた常葉大名誉教授の清ルミさん、ブラジルやペルーなどの日系外国人の子どもが通う学校「ムンド・デ・アレグリア」(浜松市西区)の校長の松本雅美さんらも選ばれた。
 団体は、ウクライナ避難民への日本語指導や生活支援に当たった「ウクライナ学生支援会-JSUS(ジェイサス)-」(大阪市)や、海外に「Taiko」という演奏ジャンルを確立させるのに貢献した「太鼓芸能集団 鼓童」(新潟県佐渡市)など。

静岡県内3人、評価に謝意
photo03 北山敦康さん 清ルミさん 松本雅美さん
 文化庁長官表彰が決まった静岡県内の3人は、これまでの業績に対する高い評価に、謝意を表した。
 音楽教育研究を進めた北山敦康静岡大名誉教授は、付属島田中校長も3年間務めた。「できることをやってきただけ」と話す。
 文化部活動の地域移行に向けた国の検討会議座長も担った。中学校の文化部員の約半数が所属する吹奏楽部は、指導員や場所の確保など課題が多いと懸念する。「受彰を励みに、部活動の良さが残るよう今後もこの問題に関わっていく」と意気込んだ。
 日本語を母語としない人への日本語教育に尽力してきた常葉大名誉教授の清ルミさんは「仕事と人とのご縁に恵まれた。目の前のことを精いっぱいこなしてきただけ」と受け止めた。
 浜松市在住のブラジル人支援をはじめ、全国で多文化共生のアドバイザーも務めた。「少子高齢化で外国人受け入れの必要性が高まる中、国内の態勢はまだまだ」とさらなる取り組みの必要性を強調した。
 20年前に私財を投じて「ムンド・デ・アレグリア」を開校した松本雅美さんは「スタッフ、学校にいただいた栄誉。外国人学校の日本語教育活動事例のモデルと評価されたことがうれしい」と語る。
 現在は3カ国260人が在籍し、日本語とそれぞれの母語で教育を行う。教員採用試験に合格した生徒や母国で学ぶ医学生も輩出。「キャリア支援にも力を入れたい」と意欲を見せた。

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