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テーマ : 芸能・音楽・舞台

SBSテレビ「世界ふしぎ発見!」3月終了 歴史と旅「わくわく」届け38年

 人気クイズ番組「世界ふしぎ発見!」(SBS、土曜夜)が、3月でレギュラー放送を終了する。1986年4月の放送開始から38年で、訪れた国と地域は170以上。実際に現地に足を運ぶからこそ感じられる、わくわくや楽しみを届け続けた。

「世界ふしぎ発見!」のレギュラー陣((C)TBS)
「世界ふしぎ発見!」のレギュラー陣((C)TBS)
2007年放送の番組で、タンザニアを訪ねたミステリーハンターの坂本三佳(右)
2007年放送の番組で、タンザニアを訪ねたミステリーハンターの坂本三佳(右)
「世界ふしぎ発見!」のレギュラー陣((C)TBS)
2007年放送の番組で、タンザニアを訪ねたミステリーハンターの坂本三佳(右)

 「歴史と遊ぶ」をコンセプトに、「ミステリーハンター」と呼ばれるリポーターが各地の名所や旧跡を訪ね、史実や文化に絡めたクイズを出題する。番組を企画した制作会社テレビマンユニオンの重延浩会長は「教養番組にとどまらない、知的エンターテインメントを仕立てたいという思いがあった」と振り返る。
 当時既に海外ロケが売りの番組はあり、歴史という視点を加えた。クイズも1時間で数問(現在は3問)にとどめ「視聴者と一緒に旅をして、考える。人間の知恵に共感する番組を目指した」。
 近年はインターネットの普及による苦労もあった。斎藤龍太ディレクターは「視聴者に届ける『発見』のハードルが上がった」。新型コロナウイルス禍でも海外を舞台に番組制作ができたのは、ネットを通じ現地のコーディネーターに撮影などを指示できたから。半面、検索や「リコメンド(お薦め)」で、世界中の情報が手に入る今、新味のある話題の発掘は大変だ。それでも「現地に出向き、驚いたり感動したりする。心の動きは、色あせずに伝えられる」と強調する。
 そのミステリーハンターとして約90回出演した俳優坂本三佳は「行く場所全てに感動があり、世界の彩りの豊かさを感じられた。私にとって宝物です」。ロケは時に2、3週間に及び、衣装に着替える場所に困る現場も。スリランカではゾウが泳ぐ様子を撮影するため何日も粘った。好奇心が必須の仕事という。
 戦争に関する話題も扱った。「クロアチアの紛争跡や、杉原千畝ゆかりの土地などを回った時は、平和について考えさせられました」
 レギュラー陣のうち、草野仁、野々村真と初回から出演を続ける黒柳徹子は「残念ですね。(レギュラー放送が)なくなっちゃうのは」と惜しむ。教科書が「墨塗り」の世代だった自身にとって、番組は歴史を学ぶ格好の場だった。「すごく勉強しました。図書館に行って、本を読んでね」
 4月以降は、特番として続く予定だ。重延会長は「もっと続けたかったが、時代状況の変化は受け止めないといけない。だが、世界には不思議がまだまだたくさんある。何らかの形で伝えていければ」と誓った。

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