ROTH BART BARON/三船雅也 ステージは大きな楽器 FUJI&SUN’23
13、14日、富士山の麓でキャンプをしながら楽しめる野外音楽フェスティバル「FUJI&SUN’23」。2日間で20組が出演する。2日目は、シンガー・ソングライター三船雅也が率いるインディーロックバンド「ROTHBARTBARON(ロット・バルト・バロン)」で幕開け。昨年に続いて2度目の出演となる三船に、抱負を聞いた。
昨秋、最新アルバム「HOWL」を発表し、3月に全国ツアーを終えたばかり。フォーク音楽をルーツに、反復がもたらす高揚感と現代的なエレクトロニックサウンドが共鳴したアンサンブルが高評価を受ける。
「昨年の『FUJI&SUN』は霧に包まれた幻想的な雰囲気の中での演奏でした。一瞬、霧が晴れて富士山が顔をのぞかせた光景は忘れられません。ステージはもう一つの大きな楽器。うまく鳴らせるか、響かせられるか。天候にも左右されるが、今回はあの場所にもう一度帰る感覚です」
「HOWL」は、新型コロナウイルス禍を経ての気付きがあふれているという。
「曲を作っているとき、オオカミが頭に浮かんできました。オオカミがほえるのは孤独からではなく、仲間がいるから。顔が見えなくても、直接的でなくても、つながりが取り戻せるのではないでしょうか。人間も言葉が生まれる以前、身体感覚としてほえていたのかも。現代は言葉に依存し頭で考えてしまう。AI(人工知能)が進化しても、人間のコアな部分に潜っていくのが歌。表面と深層をつなぐ役割があると考えています」
ツアーと同じ7人編成で「FUJI&SUN」のステージに立つ。「HOWL」の流れもくんで10曲程度披露する予定。
「全国ツアーは毎晩異なる空間を、異なる音色で満たしてきました。世界でも自信を持ってステージに立てる仲間。あの爆発力を、スケールの大きなステージで披露したい」
「FUJI&SUN」は、「心が静かになるフェス」とも形容する。
「昨年は自分のライブ後、小高い山で寝転んで音楽を聴きながら夕焼けを眺めました。富士山の雄大な自然、きれいな空気は他のフェスにはない心地よさ。キャンプグッズを購入したり、友人に再会したりして自分自身も楽しみました。フェスはお客さんが自分を解き放つ場所。僕らは、その自由な空間をどう作り出せるか、力量が問われます。非日常をゆっくり楽しんでもらいたいですね」
◇日程
13日午前9時開場、10時半開演 14日午前8時開場、9時開演
◇会場
富士山こどもの国(富士市)
◇出演
EGO-WRAPPIN’(アコースティックセット)、折坂悠太、cero、never young beach、ハナレグミ、優河、吉原祇園太鼓セッションズ、木村カエラ、スガシカオ with FUYU、ブレッド&バター、ROTHBART BARON、ASIAN KUNG-FU GENERATION、岡田拓郎、君島大空、TOP DOCAほか
◇前売り券
県民割引で2日通し大人1万4500円、1日8000円。小中学生2日通し3000円、1日2000円。詳細は公式サイト(https://fjsn.jp)参照
◇問い合わせ
実行委員会<電03(6427)3281>(正午~午後6時)