八代亜紀さん 「ハママツ・ジャズ・ウィーク」でも感動ステージ イベント企画者、人柄しのぶ
昨年12月30日に死去した歌手の八代亜紀さんと、浜松市の音楽イベントを通じて交流のあったヤマハ社員で、イベントのプロデューサーを務める佐藤伸行さん(51)が10日、同市内で取材に応じ、「市民になじみの薄かったジャズの裾野を大きく広げてくれた人」と故人をしのんだ。
八代さんは2018年にアクトシティ浜松(中央区)で開かれた「第27回ハママツ・ジャズ・ウィーク」最終日のメイン企画「ヤマハ・ジャズ・フェスティバル」に出演し、約2100人観衆を魅了した。それまでメインイベントの出演はジャズシンガーが中心だったが、佐藤さんが「演歌の女王ながらジャズのアルバムも出し、奥深い歌い方に注目していた」と出演を依頼。八代さんは「私は元々ジャズ歌手。10代のころはキャバレーでジャズを歌っていた」と言って快諾したという。
多くの市民が詰めかけたジャズ・ウィークのステージで、八代さんはジャズ曲のほか、ジャズ調の「舟唄」や「雨の慕情」など計7曲を歌い上げた。「浜松の人に楽しんでもらってうれしい」と喜び、スタッフにも感謝の言葉を述べたという。
佐藤さんは「無邪気な表情で、自由気ままに歌われていた。浜松の演歌のファンも、ジャズのファンにも感動を届けてくれた」と功績をたたえた。
(浜松総局・大山雄一郎)