音と音楽 境界行き来 浜松で緩衝材使うワークショップ【とんがりエンタ】
宅配便でおなじみの緩衝材で、自由に音を出してみよう-。音響作家のウエヤマトモコさん(名古屋市)が、浜松市鴨江アートセンター(同市中区)でワークショップ(WS)を開いた。
会場には「プチプチ」とも言われる空気入りのシートや、小さな白い個体、ウレタン製の直方体など約20種の緩衝材が勢ぞろい。ウエヤマさんは「お気に入りの音を探そう」と呼びかけ、素材を転がしたり、破いたり、落としたりして音の広がりを実践した。
当初は面食らっていた親子ら11人の参加者だったが、配られたトレーやベニヤ板、輪ゴムも使い、独自の音を探り当てる作業に没頭。「パチン」「ギシギシ」「ポンッ」といったユニークな音を響かせた。後半は、ゆったりした一定のリズムに合わせ、リレー形式で各自の音を披露。「サウンド」(音、物音)と「音楽」の境界線を自在に行き来した。
WSは同センターが2018年から行う「鴨江音楽室」の一環。担当の戴周杰さんは「日常生活に潜むアートの要素を音という切り口で探っている」と趣旨を説明した。