重層的なサウンドコラージュ 静岡のユニット「庭」が新作【とんがりエンタ】
静岡市を中心に約20年前から活動するノイズユニット「庭」が11曲入りCD「家庭円満」を発表した。「家庭崩壊を主題にした仮想の映画のサウンドトラック」がコンセプト。ぐしゃぐしゃっとしたノイズの向こう側にさまざまな旋律がさざめく、重層的なサウンドコラージュ作品に仕上がった。
格調高いピアノのワルツ「終わりの気配」で幕を開け、地の底から何かが噴き出すようなノイズ音の「受精」、ラジオのホワイトノイズと氷河が崩壊するかのごとき音が交錯する「旅の準備」と続く。楽曲によってはドラムやオルガン、打ち込みのリズムも交えさまざまな風景を提示する。メンバーのMEGAROZAMAC[メガロザマック]さんが全体のテーマを定め、交流サイト(SNS)を通じて県内外の21人から集めた音の断片を仲間とまとめた。
庭は2002年に活動を始めた、不定形のグループ。約10年前からギタリストとして参加する図画工作家中安モモさん(静岡市駿河区)は「『庭』の名のもとに、その都度集まった人で演奏する」と説明する。
12日に静岡市葵区のライブバー「フリーキーショウ」、18日に同区のライブハウス「騒弦」でライブがある。詳細は公式サイトで。