あなたの静岡新聞
▶ 新聞購読者向けサービス「静岡新聞DIGITAL」のご案内
あなたの静岡新聞とは?
有料プラン

テーマ : 芸能・音楽・舞台

三保松原の価値、朗読劇で伝承 清水区で18日上演 故郷への思い「共有したい」

 今年6月に世界遺産の構成資産登録10年を迎える三保松原の価値を伝承する朗読劇「三保松原 羽衣の夢」が18日、静岡市清水区三保の旅館「羽衣ホテル」で上演される。羽衣伝説を題材にした物語の脚色と朗読、身体表現を担うのは県舞台芸術センター(SPAC)の俳優で三保出身の宮城嶋遥加さん(28)。「故郷である三保松原の文化的価値への思いを皆さんと共有したい」と目を輝かせる。

「天女の物語や三保松原はよく知るからこそ畏怖の念がある」と語る宮城嶋さん=静岡市清水区
「天女の物語や三保松原はよく知るからこそ畏怖の念がある」と語る宮城嶋さん=静岡市清水区
宮城嶋さんが朗読劇を披露する舞台。昨年4月の公演より
宮城嶋さんが朗読劇を披露する舞台。昨年4月の公演より
「天女の物語や三保松原はよく知るからこそ畏怖の念がある」と語る宮城嶋さん=静岡市清水区
宮城嶋さんが朗読劇を披露する舞台。昨年4月の公演より

 松林を抜ける心地よい風や、浜辺から望む霊峰富士を身近に感じて育った宮城嶋さんにとって、羽衣伝説はライフワークとして関わっていきたい題材の一つだ。「よく知るからこそ畏怖の念がある。どう脚色し朗読するか、俳優としてのスキルを総動員して考えている」と気を引き締める。
 「聴く人が自由に場面や登場人物を想像できるのが朗読劇の魅力。伝説の地に近い特別な場で幽玄の世界に浸ってほしい」と話す。
 原作は同館女将で、NPO法人三保の松原・羽衣村の理事長を務める遠藤まゆみさん(64)。長年、三保松原の研究を続ける。本作は「三保の満月を眺めながら記したファンタジー」。史実や伝承のほか、明治の評論家で文学者の高山樗牛、詩人の北原白秋らによる清水ゆかりの作品から着想を得た。中世の駿河を舞台に、足利義満や宗尊親王などが称賛した三保松原を一目見たいと松原を訪れた若者と天女の淡い恋を描いた。
 清見潟で都人が富士山を鑑賞した舟遊びの風習や久能寺(現在の鉄舟寺)の歴史、芸能をつかさどる古代神への信仰に関する記述も登場する。遠藤さんは「富士を望む景勝地として多くの芸術の源泉となった三保松原は世界の宝。多くの人に誇りと愛着を感じてもらい、未来に継承する意義を感じてほしい」と期待を込めた。

 羽衣の夢 2回公演
 朗読劇「三保松原 羽衣の夢」は18日午前10時半、午後1時の2回公演。各回先着30人。入場料は大人3千円、中学生以下2千円。
 問い合わせ、申し込みは氏名と希望の公演時間を明記しメール<amanohagoromoproject@gmail.com>へ。

いい茶0
▶ 追っかけ通知メールを受信する

芸能・音楽・舞台の記事一覧

他の追っかけを読む