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テーマ : 芸能・音楽・舞台

「語り芸」の魅力知って 人気浪曲師の玉川奈々福 23日、下田で親子向け公演

 人気浪曲師の玉川奈々福が県文化財団(グランシップ)とタッグを組み、親子向けの出前公演「にっぽんこども劇場~浪曲わんだーらんど」を展開している。23日に下田市で開催する公演に先立ち、浪曲の魅力を語ってもらった。

シンデレラの物語を浪曲にアレンジし、子どもたちに披露する玉川奈々福(左)=昨年11月、静岡市駿河区のグランシップ
シンデレラの物語を浪曲にアレンジし、子どもたちに披露する玉川奈々福(左)=昨年11月、静岡市駿河区のグランシップ

 落語にはなじみがあっても浪曲がどんな芸能か分からない、という人は多いと思う。落語は1人で行うのに対し、浪曲は語り手である浪曲師が、三味線を演奏する曲師と2人1組になって披露する。
 グランシップの企画では浪曲を子どもにも分かりやすいように工夫して発信する。題材はシンデレラ。誰もが知る西洋の童話だが、古典的な浪曲のフォーマットに落とし込んである。話の筋を追いながら浪曲がどんな芸なのか理解し、物語の中に心を遊ばせてほしい。
 浪曲の魅力は、大きな声で身体を“爆発”させる面白さだ。遠慮なく喜怒哀楽を表現する。子どもたちの中には「授業の中で日本の伝統芸能を学ぶ」と聞いた時点で興味を持っていない子もいる。しかし、実際に浪曲を聞いたりワークショップで声を出したりする中で心身が“解放”されていく。三味線を伴って歌うような部分(節)やリズムが際立つ箇所もあり、子どもの心を捉えるのかもしれない。
 シンデレラは静岡県内で子どもたちに繰り返し披露している。年代や学年によって反応が異なるのが興味深い。
 下田公演では三味線に触れる体験会などがある。視覚優位の世の中だからこそ耳で聞いて想像を膨らますという日本の「語り芸」の魅力に触れてほしい。堅苦しく考えず、いろいろなシンデレラの姿を思い浮かべながら、家族で会話を楽しんでもらえれば幸いだ。

 23日のグランシップ出前公演「浪曲わんだーらんど」は下田市民文化会館で午後1時半~2時半と午後3時半~4時半。大人1500円、子ども・学生500円。3歳以下無料。問い合わせは同会館<電0558(23)5151>へ。

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