テーマ : ウクライナ侵攻

大自在(2月25日)ウクライナ侵攻2年

 フィリピンで独裁体制を敷いていたマルコス大統領を、暗殺された野党指導者ベニグノ・アキノ元上院議員の妻コラソン・アキノ氏が選挙で破り、新大統領に就任したのは1986年のきょう2月25日のこと。
 マルコス氏は冷戦下で反共産主義を打ち出して米国との関係を深め、経済振興に尽力したが、次第に独裁色を強めた。83年の元上院議員の暗殺が反マルコス運動に火を付け、国民や海外からの批判をかわそうと実施した大統領選での不正で軍の造反を招くなどして、国外脱出に追い込まれた。
 当時は不正蓄財や豪勢な生活ぶりが盛んに報じられただけに、2022年にマルコス氏の長男が大統領に就任した際は時の流れを感じずにはいられなかった。もっとも就任への抗議デモも行われたというから、独裁の記憶はそう簡単に消え去るものではないのだろう。
 プーチン政権の独裁が続くロシアでは、ウクライナ侵攻開始から2年が経過した。両軍の戦死者は19万人以上、前線では態勢を立て直したロシアが優位になりつつある。
 ウクライナではゼレンスキー大統領の求心力が低下し、欧米の支援疲れが顕在化している。ウクライナも国際社会も難しい局面に立たされている。
 一方でロシアは、刑務所で死亡した反政府活動家ナワリヌイ氏の遺族への遺体引き渡しを拒んでいるという。死因の隠蔽[いんぺい]に必死なようだ。フィリピンでは元上院議員の死が政権崩壊のきっかけになった。情報統制や反対派弾圧がうまくいっているようで、ロシアもそう余裕があるわけではないのかもしれない。

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