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武器供与遅れ 戦局に影響 米欧の支援疲れ顕在化【ウクライナ侵攻】

 【キーウ共同】欧米は旧ソ連の兵器を主に使用していたウクライナ軍に、段階的に強力な武器を供与してきた。侵攻初期は機動性に優れた兵器が中心だったが、米英が主導する形で主力戦車や長射程兵器に対象を拡大。
 一方で、ウクライナ軍が要求するF16戦闘機の引き渡しは想定より遅れている。米欧では侵攻長期化に伴う支援疲れも顕在化し、米議会ではウクライナ支援を含む緊急予算案の承認が滞っている。今後の武器供与の先行きには不透明感が増す。
 2022年2月の侵攻直後、欧米は携帯型の対戦車ミサイル「ジャベリン」や地対空ミサイル「スティンガー」を供与。射程は短いが持ち運び可能で取り扱いも簡単だったため、すぐに実戦投入され首都キーウ(キエフ)防衛などに役立った。
 その後、東部や南部での地上戦に焦点が移り、22年6月以降に投入された米国供与の高機動ロケット砲システム「ハイマース」が局面を変えた。最大射程は約80キロで、ロシア軍の武器や弾薬など物資の集積拠点に撃ち込み、東部ハリコフ州の広域や南部ヘルソンの奪還につながった。
 続いてウクライナ軍が求めたのが欧米の主力戦車だ。英国が23年1月に「チャレンジャー2」供与を表明。米国やドイツも続き、特に欧州を中心に各国が計2千両以上を保有するドイツ製「レオパルト2」は23年6月に始まったウクライナ軍の反転攻勢でも使われた。
 長射程兵器の供与でも英国が先んじた。23年5月に射程250キロの巡航ミサイル「ストームシャドー」供与を表明。その後、フランスがストームシャドーと同型の「スカルプ」を、米国は射程約160~300キロの地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」を引き渡した。
 ウクライナは制空権を掌握するロシアに対抗するため、F16の早期供与も求めているが、ウクライナ人操縦士の訓練完了までに一定期間を要し、実戦配備に想定よりも時間がかかっている。

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