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ロ軍「皇帝の列車」で防衛網 ウクライナ東部 貨車2100両以上【ウクライナ侵攻】

 ロシア軍が侵攻を続けるウクライナ東部ドネツク州の占領地で、貨物列車を連ねて障害物とし、防衛網に利用しているとみられることが分かった。米シンクタンク戦争研究所などが13日までに指摘した。この構築物は、規模の大きさや、プーチン政権がかつてのロシア帝国の版図支配に野心を示していることから通称「ツァー(皇帝)の列車」と呼ばれているという。
 防衛網が築かれたのは、親ロシア派拠点の州都ドネツクに近いオレニフカからボルノバハにかけて。直線距離で約30キロだが、貨物列車が連なる線路はそれ以上の長さがある。
 並べられた貨車は2100両以上。ロシアが侵攻に伴ってウクライナから奪った貨車も使われたといい、昨年夏から約半年間で構築された。ウクライナ軍は同6月以降に反転攻勢を試みており、時期はおおむね一致。線路は前線の約6キロ奥を平行線のように走り、まだ防衛網として実戦使用されていないもようだ。
 ロシア軍はこのほか、ウクライナ軍の反攻前に塹壕(ざんごう)や「竜の歯」と呼ばれる戦車用の障害物を構築。ドニエプル川も自然の防衛線として利用しており、これらはかつての総司令官の名から「スロビキン・ライン」と称されている。
 反攻は大きな成果を生まずに戦況は行き詰まり、先のウクライナ軍トップ交代の遠因となった。ゼレンスキー政権は今年、戦力回復を図り、来年の攻勢の機会を探るという見方が伝えられるが、防衛網を突破するのは容易でない。
 (時事)

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