テーマ : ウクライナ侵攻

ロシア凍結資産の活用、米欧に溝 G7、ウクライナ支援充当に課題

 【サンパウロ共同】先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は28日、ウクライナ侵攻に対する制裁で凍結したロシア資産の活用について、協議を継続することで一致した。ただ、国際法違反の懸念が指摘される資産の没収については米国は可能とする一方、欧州は慎重姿勢。ウクライナ支援の資金確保が狙いだが、法律に適合させる手法が課題となっている。
 会議には日本から神田真人財務官らが出席。神田氏は会議後、記者団の取材に応じ、凍結資産活用について「国際法にかなったものである必要がある」と述べた。資産の没収が可能かどうかなど、具体的な方策については言及を避けた。
 G7は侵攻開始以降、ロシアの中央銀行などの資産を凍結。ロイター通信によると、凍結した資産は約3千億ドル(約45兆円)に上る。凍結資産の活用を巡って、欧州連合(EU)が今月1日の緊急首脳会議で活用に向けた計画を進めることで合意。没収するのではなく、国債の利子など一部を活用する案が出ている。
 神田氏は「欧州がやろうとしていることは、国際社会からも理解が得られていると思う」との見方を示した。その上で「そこから先については、検討していく」と述べるにとどめた。
 フランスのルメール経済・財務相は28日の記者会見で、没収について「法的根拠がない」と指摘。「G7は法の支配に基づいている」と述べ、法的根拠に基づいて凍結資産活用を進める方針を示した。
 一方で、米国は没収も可能との立場。イエレン財務長官は27日、G7で協力する考えを示した上で「慎重に行動すべきだが、国際法上も経済上も道義上も、前進するための強力な根拠があると信じている」と強調した。

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