テーマ : ウクライナ侵攻

ウクライナ・ロシア市民ひと言集

 ロシアによるウクライナ侵攻から24日で2年。ウクライナの女性医師は「ここは私たちの国だ。これからもここで生きる」と語り、ある兵士は「侵略者たちから国を守る」と誓った。ロシアからも戦争の早期終結と平和を願う声が上がった。両国の市民の声を聞いた。

聖ミハイル黄金ドーム修道院の外壁に掲示された、犠牲となったウクライナ兵士らの写真=23日、キーウ(共同)
聖ミハイル黄金ドーム修道院の外壁に掲示された、犠牲となったウクライナ兵士らの写真=23日、キーウ(共同)

 【ウクライナ】
 ▽キーウ、心臓外科医、リュドミラ・シェフチェンコさん(50)
 侵攻後に一度もキーウを離れようと考えたことはない。ここは私たちの国であり家だ。これからもここで生きる。多くの人が傷つき、これまで以上に医師としての役割が重要になる。最後まで自分の役割を全うする。
 ▽中部ビンニツァ、ボクシングトレーナー、イーゴリ・ムシエンコさん(59)
 国がごちゃごちゃになってしまった。犠牲者を増やさないため、ゼレンスキー大統領は早く戦争を終わらせるべきだ。領土奪還より停戦が先だ。
 ▽ブチャ、兵士、ビャチェスラフ・ヤツェニュクさん(31)
 5歳の時から一緒に過ごし兄弟のようだった親友がロシア軍に虐殺された。侵略者たちからこの国と人々を守るために、最後まで戦う。
 ▽西部リビウ、エンジニア、マルタ・オブニャフカさん(34)
 ウクライナ軍が領土を奪還した時には歓喜し、友人が戦死した時は無力感に打ちひしがれた。あふれる感情の泉の中で過ごしてきた。勝利を信じている。
 ▽キーウ、大学教授、オクサナ・ムシヤンコさん(85)
 この2年間、ミサイルや爆弾が降る中で生活してきた。欧米が武器を早くくれていたら勝利できたはずだ。これ以上、人が死ぬのは嫌だがロシアとの停戦は意味がない。
 ▽(ロシア占領下の)南部メリトポリ、無職、オレクサンドラさん(30代)=仮名
 ロシアの占領政策が進み、ロシア国営テレビのプロパガンダを信じる人が増えている。だまされてはいけない。ここはウクライナだ。
 【ロシア】
 ▽モスクワ、大学教員、オリガ・クルグロフスカヤさん(32)
 物価は高騰し景気が悪い。外国企業撤退で代替品も見つからない。悪い政治家と企業家だけが恩恵を受ける社会の終わりを望む。若い候補の正当な出馬が認められる公正な選挙が行われるよう国民は声を上げるべきだ。
 ▽極東ルチェゴルスク、縫製業経営、スベトラーナ・テレギナさん(58)
 父はウクライナ人。戦争は想像しなかった。テレビは明るいニュースばかり伝えるが、多くが隠され、ゆがめられているとロシア西部にいる従軍中の息子らの話で分かる。軍事作戦が終わり、家族が集えるのを願う。
 ▽モスクワ、年金生活者、アレクサンドラさん(76)
 日常生活で不足を感じることはないが、国際関係は恐ろしい状況で、子孫が心配だ。最大の願いは軍事作戦が一刻も早く終わり平和が戻ること。
 ▽極東ウラジオストク、自動車整備工、ヤン・ボルホフスキーさん(51)
 貧乏人はより貧しく、金持ちはより豊かになった。外敵から国を守るために戦う用意はあるが、経済エリートの利益のための軍事作戦で戦いたくない。隣国との相互理解を願う。安定し将来を見通せる時代に戻りたい。
 ▽モスクワ、技術者、エブゲニーさん(25)
 政治家は西側と関係を修復すべきだ。米国とウクライナ紛争に関する建設的対話も必要。ウクライナは主権国家だと忘れてはならない。
 ▽モスクワ、年金生活者、ワレリアさん(70)
 経済的不安はなく、薬など必要な物は手に入り、子供の支援もある。ただ兵士の親類のことも考える。軍事作戦支持が多数派だが反対意見もあり、互いに不寛容になった。子孫の将来が心配。作戦終結と平和を願う。(共同)

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