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対日関係 6分野重点 ウクライナ首相会見 電子戦装置の供与要請

 【キーウ共同】19日に東京で開かれる「日ウクライナ経済復興推進会議」でウクライナ側の代表を務めるシュミハリ首相が8日、首都キーウ(キエフ)で共同通信と単独会見した。対日関係強化に強い意欲を表明し、重点分野として防衛やインフラ、ITなど6分野を列挙。最優先の防衛分野では、無人機(ドローン)を無力化する電子戦システムの供与を日本に求めていると明らかにした。=関連記事4面へ

ウクライナのシュミハリ首相
ウクライナのシュミハリ首相

 シュミハリ氏は「日本の支援は極めて価値が高い」と強調し、ロシアの侵攻で甚大な被害を受ける自国の復興に向けて日本企業の参入を促し、投資環境を整備すると言明した。東京での会議で、対日関係の強化に関する合意文書を交わしたいとの意向を示した。
 ウクライナは連日、ロシアの無人機やミサイル攻撃にさらされ、防空態勢の強化が緊急課題だ。シュミハリ氏は「日本からは兵器を直接受け取れない」と述べ、日本による防衛面の支援に制約があると理解を示す一方、無人機やミサイルを電波妨害などで無力化するシステムの必要性が増していると訴えた。
 「ハイテク装備品の役割は防衛面で極めて大きい。無人機やミサイルが重要な役割を果たす戦争では、戦場だけでなく、民間人の安全を守るためにも電子戦システムが必要だ」と語り、日本に供与を求めているとした。
 他の重点分野はエネルギー、農業、エンジニアリング。シュミハリ氏は「日本企業との包括的な協力に関心がある」と強調。具体的には、自動車製造や肥料生産、ウクライナに埋蔵されるリチウムやチタンといったレアメタル(希少金属)の採掘や処理事業などに日本企業を呼び込みたいとの考えを示した。
 また、原子力分野でも日本との協力が可能だと指摘した。ウクライナは2033年までに原子炉4基を新設する予定だとして、日本との技術協力に期待を示した。支援や投資の障壁となっている汚職への対策については「妥協せずに汚職と闘っている」と訴えた。物資調達のデジタル化を進め、汚職の入り込む余地をなくす努力を続けていると強調した。

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