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ロシア軍の大型輸送機が墜落 ウクライナ捕虜ら74人死亡

 ロシア国防省は24日、ウクライナ国境のロシア西部ベルゴロド州で、ロシア航空宇宙軍の大型輸送機イリューシン76が墜落したと明らかにした。タス通信などが伝えた。国防省によると、同機には捕虜交換のために移送中のウクライナの捕虜65人と同行者3人、乗員6人の計74人が乗っていた。ベルゴロド州のグラトコフ知事は24日、搭乗者全員が死亡したと明らかにした。

訓練で離陸するロシア軍の大型輸送機イリューシン76=2021年4月、ロシア・タガンログ(ロイター=共同)
訓練で離陸するロシア軍の大型輸送機イリューシン76=2021年4月、ロシア・タガンログ(ロイター=共同)

 軍出身のカルタポロフ・ロシア下院国防委員長は24日の本会議で、輸送機は欧米がウクライナに供与した地対空ミサイルシステム「パトリオット」か防空システム「IRIS―T」で撃墜されたと述べたが、具体的な根拠は示さなかった。
 カルタポロフ氏は24日に両軍の間で192人ずつの捕虜交換が予定され、墜落したのは捕虜を運ぶ2機のうちの1機だったと指摘。捕虜交換を妨害するウクライナ側の攻撃だとの見方を示した。
 現場は州都ベルゴロド郊外で、軍などによる原因調査が行われた。
 ベルゴロド州にはウクライナ側からの砲撃などが連日続いており、24日にも無人機が撃墜された。新たな攻撃に対する警報も出ていた。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は23日のビデオ声明で、首都キーウ(キエフ)や東部ハリコフなど各地へのロシア軍の大規模なミサイル攻撃の死者が18人に上り、さらに増える可能性があると明らかにした。負傷者は130人以上。
 当局によると、最大の被害が出た第2の都市ハリコフには23日だけで3回の攻撃があり、崩れた高層集合住宅では、住人の救出が続いている。
 空軍のイグナット報道官は米紙ニューヨーク・タイムズなどに対し、迎撃したミサイルは半数ほどだったと明らかにした。特に、巡航ミサイルに比べ迎撃が難しい弾道ミサイルは24発中5発にとどまったという。
 また米CNNテレビは23日、ウクライナ軍の砲弾不足が深刻化し、ロシア軍との戦闘で不利な状態にあると報じた。ロシア軍とウクライナ軍の砲弾供給の差は「10対1」だという。(共同)

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