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ウクライナへ再エネ支援 政府 バイオ燃料技術供与【ウクライナ侵攻】

 政府は、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの支援策として、再生可能エネルギーの関連技術を供与する方向で調整に入った。バイオ燃料の製造技術を想定しており、農業国で原材料が豊富なウクライナにとって、復興に向けた産業化に結び付くと判断した。2月19日に日本で開く予定の「日ウクライナ経済復興推進会議」で独自の貢献策として打ち出す考えだ。ウクライナ側と、日本の技術提供企業との合意を目指す。日本政府関係者が3日、明らかにした。

ウクライナ復興を巡り検討中の日本の主な支援策
ウクライナ復興を巡り検討中の日本の主な支援策


 欧米のような軍事支援を展開できない日本は、ウクライナの復旧・復興に力点を置く。日本企業による製造技術、関連設備の提供を想定している。
 バイオ燃料は農作物や、家畜の排せつ物などをもとに製造される。発電に活用されるため、脱炭素を進める技術の一つとして注目される。「事業が軌道に乗れば、有望な輸出品になる」(日本政府関係者)として将来的な対欧州輸出も視野に入れており、ウクライナの外貨獲得につながると期待している。
 政府は復興推進会議の開催を前に、ウクライナ側の要望聞き取りを進めている。中長期的な視点の復興支援を重視し、エネルギーのほか医療、インフラ分野で民間投資を促す。産業の多角化も後押しする方針だ。
 バイオ燃料以外にも、3Dプリント技術で製作する義足、心的外傷後ストレス障害(PTSD)治療に関する技術の提供を検討している。情報通信技術(ICT)を使った遠隔医療やスマート農業の導入、浄水技術やサイバーセキュリティーの支援も用意する。
 復興推進会議では、両国の政府関係者、民間企業に参加を呼びかけ双方のビジネスマッチングを図る。日本企業のビジネスチャンスとする狙いもある。

 日ウクライナ経済復興推進会議 ロシアの侵攻で国土が荒廃したウクライナの復旧・復興支援策を協議する日本主導の会議。2月19日に東京で開催する。ウクライナのシュミハリ首相も出席する見通しだ。ゼレンスキー大統領は昨年11月、共同通信などと会見し「非常に具体的なプロジェクトが提案されることになる」と期待を表明した。同9月に林芳正外相(当時)、同11月に辻清人外務副大臣と岩田和親経済産業副大臣がウクライナを訪問し、同国側の要望を聞き取った。

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