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東部制圧視野に攻勢 ロシア軍 越境攻撃激化で【ウクライナ侵攻】

 ロシア西部ベルゴロド州などでウクライナ側からの攻撃が激化している。無人機や長距離砲の攻撃が連日続く同州には、今月のロシア大統領選投票直前から地上部隊が侵入を試み、ロシア国防省は20日、一時越境を許したことを認めた。プーチン政権は西部各州防衛のため、国境を接するウクライナ東部ハリコフ州の制圧も視野に攻勢を強めるとみられる。
 ロシア国防省によると、ベルゴロド州内には21日朝にも多連装ロケット砲10発が撃ち込まれた。全て迎撃したという。
 侵攻を受けるウクライナは今月12日からベルゴロド州とクルスク州へ、戦車や装甲車を動員し波状的に侵入を図った。ロシア側は「全て撃退した」としていたが、プーチン政権と敵対する在外ロシア人らの「ロシア義勇軍団」は19日、ベルゴロド州南西部の村コジンカに侵入したとする映像を公開し「戦果」を誇示した。
 越境攻撃にはほかに「自由ロシア軍」「シベリア部隊」を名乗りウクライナ軍と共闘するロシア人の部隊が加わったとされる。
 今月17日開票の大統領選で圧勝したプーチン大統領は18日未明の記者会見で、これらの部隊について「ロシアは死刑を適用していないが、武器を手にした祖国の裏切り者は常に戦場の兵士と同様に扱う」と述べ、現場での殺害を示唆した。
 プーチン氏は19日に出席した連邦保安局(FSB)幹部会では「第2次大戦時の裏切り者の連中と同じく、時効なしに処罰」するよう指示した。
 18日の会見でプーチン氏は、ベルゴロド州の安全確保のためウクライナ領内に「安全地帯」を設けることが「いつかは必要になるかもしれない」と述べ、攻撃の拠点になっているハリコフ州の制圧も選択肢の一つであることをにおわせた。
 ロシア軍は東部ドネツク州の要衝アブデーフカ制圧後、州全域の制圧を目指して北上するとともに、実効支配するルガンスク州からハリコフ州方面へも攻勢をかけている。
 (共同)

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