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ウクライナ侵攻 継続明言 プーチン氏 年次報告で正当化

 ロシアのプーチン大統領は29日、連邦議会に対する年次報告演説でウクライナでの「軍事作戦の目的は全て達成する。勝利を確信している」と述べ、侵攻を続ける考えを明確にした。ロシアの戦略核兵器は完全な戦闘準備態勢にあると強調し、対立を深める欧米などを強くけん制した。
 米国との核軍縮を含む戦略的安定に関する対話再開の用意があるとする一方、米国がロシアの安全保障と国益を真剣に考慮する必要があると指摘。ロシアが宇宙空間で核兵器を使用する可能性があるとの米メディア報道を否定し、米大統領選を前に対話を強要するバイデン政権のトリックだと批判した。
 プーチン氏は、過去2年の侵攻作戦で経験を積んだロシア軍は「戦闘能力を数倍に高めた」と主張。極超音速ミサイル「キンジャル」や最新型の重量級大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」の配備にも言及し、「独立した強いロシア抜きに世界秩序の安定は不可能だ」と強調した。
 隣国フィンランドとスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)正式加盟と加盟決定を受け、国境付近での兵力強化の必要性を表明し、通常兵力を含めたロシア軍の装備を拡充していく考えを示した。
 3月15~17日投票の大統領選で通算5選を目指すプーチン氏は「圧倒的多数の国民が当初から作戦を支持した」と主張。軍事作戦は祖国の主権と安全保障確保のためだと説明し侵攻を改めて正当化。国民に一層の団結を促した。
 内政面では深刻化する少子化対策や、対ロ制裁で打撃を受けた経済の安定化、人工知能(AI)を含む高度技術の国内開発促進など、欧米との協力に頼らない自力発展に向けた長期的施策にも言及。演説は事実上の選挙公約発表ともなった。
 (共同)

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