テーマ : ウクライナ侵攻

戦場の女性兵「史上最多」 ウクライナ、侵攻が生き方に影

 【キーウ共同】ウクライナ国防省の広報機関は8日、国際女性デーに合わせて女性の従軍状況などのデータを発表した。軍所属の女性は6万2千人以上で侵攻前の2021年に比べ40%増加。うち兵士は約4万5500人で、4千人以上が前線に配置されるという。カルミコワ国防次官は戦場にいる女性兵士数は「世界の歴史上最多」だと指摘。3年目に入ったロシアによる侵攻が女性の生き方に影を落とす。

ウクライナ西部リビウ州で兵士養成機関の卒業式で銃を持つ女性ら=2023年2月(ゲッティ=共同)
ウクライナ西部リビウ州で兵士養成機関の卒業式で銃を持つ女性ら=2023年2月(ゲッティ=共同)

 ウクライナでは女性の軍参画は総じて肯定的に受け止められている。侵攻後の22年、軍における「男女の機会均等」を8割が支持したとの調査もある。
 「身体的な理由で女性を拒むべきではない」「平等に戦うべきだ」との指摘がある一方、「(参画は)志願に基づくべきだ」との声は大きい。政府が動員拡大を検討する中、議論は活発化した。
 ウクライナでは、ソ連時代から国際女性デーに女性に花や贈り物を渡す習慣があり、近年は女性の権利向上や性差別撤廃を訴える集会なども催されてきた。
 国連女性機関(UNウィメン)の今年2月の発表によると、ウクライナでは800万人超の女性や女児が人道支援を必要とする。失業者の72%が女性だ。一方、女性の起業が昨年、1万件を超えたとして女性が戦時下の経済活動を支えているとも指摘した。
 ウクライナでは従来、女性の教育レベルは高いが、給与格差が課題となってきた。政府は昨年、約18%の格差を30年までに約13%に縮小する目標を掲げた。

いい茶0

ウクライナ侵攻の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞