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今年は決議案なし 関心低下 懸念の声 国連総会安保理【ウクライナ侵攻】

 【ニューヨーク共同】ロシアによるウクライナ侵攻開始から24日で2年となるのに合わせ、国連総会の会合と安全保障理事会の緊急公開会合が23日、それぞれ開かれた。閣僚級が参加したいずれの会合でも決議案は提出されず、関心の低下を懸念する声が上がった。日本や米国、欧州など52カ国と欧州連合(EU)は「ロシア軍の即時撤退」や「北朝鮮からの武器調達停止」を求める共同声明を発表し、ウクライナへの連帯を強調した。
 侵攻1年に当たる昨年は、国連総会でロシア軍の即時撤退を要求する決議案を193の加盟国中141カ国の賛成で採択した。今回の共同声明に国名を連ねたのは欧米がほとんどを占めた。欧州の外交筋は「戦闘が膠着(こうちゃく)し、アフリカ、中東での関心の低下や、パレスチナ自治区ガザの衝突激化で関心が分散した。侵攻3年目が正念場だ」と指摘した。
 国連本部で賛同した各国代表らと並び、報道陣に声明を発表したウクライナのクレバ外相は「私たちは強く団結し、必ず結果を出す」と侵攻に対抗し続ける姿勢を強調した。共同声明は、侵攻を「国際法違反」だと非難し、イラン、ベラルーシ、北朝鮮がロシアに武器支援を続けていると批判した。
 総会でスイスのカシス外相は、和平案を話し合うサミットを「夏までに開催する」と述べた。ロシアのネベンジャ国連大使は、ウクライナ東部ドンバス地方(ドネツク、ルガンスク両州)の住民はロシアの一部となることを歓迎していると主張。「特別軍事作戦の目的は達成される」と侵攻継続の考えを強調した。
 国連のグテレス事務総長は安保理で「2年間、戦闘に明け暮れ苦しみ、国際関係を緊張させてきた。もう十分だ」と平和を訴えた。

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